「萩ツアー」(地域理解プログラム「日本の近代化・産業革命遺産を学ぶ」)参加レポート

2023.07.25

 JICA中国では6月25日(日)に山口大学に留学中の研修員を対象として、萩への日帰りバスツアーを実施しました。今年度は広島修道大学法学部2年佐伯里呼さんも、ボランティアとして同行しました。以下、佐伯さんのレポートです。

「萩・明倫学舎」
 ツアーの参加者は11ヵ国(バングラデシュ、ブラジル、エリトリア、ギニア、ラオス、リビア、ネパール、ルワンダ、ソマリア、東チィモール、トンガ)22名でした。運営側(中国センター研修業務課職員2名、研修監理員(通訳)、私)の4名と山口大学常盤キャンパスで学ぶ研修員は、9時30分に新山口駅集合、山口の吉田キャンパスで学ぶ研修員は10時に吉田キャンパスの正門前に集合し、バスに乗車しました。
 今回の目的は、研修員が日本の近代化・産業革命遺産に触れることで各自の専門分野の理解について学びを深くすることです。
 最初に萩明倫学舎内にある「世界遺産ビジターセンター」を訪ねてこれから訪問する施設の位置付けや概念を教わりました。

〔萩・明倫学舎入口〕

「恵美須ヶ鼻造船所跡」
 昼食後、「恵美須ヶ鼻造船所跡」に向かいました。こちらも世界遺産の一つです。萩市観光協会の方が日本語で説明し、それを研修監理員(通訳)が英語に通訳します。
 留学中の研修員の中には、美しい恵美須ヶ鼻造船所跡を背景に写真を撮る姿を見受けられました。船は現存しないとのことでした。

〔恵美須ヶ鼻造船所跡にて〕

「萩反射炉」
 「萩反射炉」は、西洋で開発された金属溶解炉です。この萩反射炉の建設が始まる時点で、萩藩が佐賀藩から情報を得ようと試みたものの、何度も依頼したが佐賀藩が認めたのは、外観のスケッチだけでだったとのことです。私たちは幕末における日本の各藩の微妙な関係性を知りました。

〔小高い丘の上に残る反射炉〕

「松下村塾」
 「松下村塾」は、長州藩の吉田松陰が講義を行っていた私塾です。伊藤博文などの産業化に貢献する人材を輩出しました。
 建物の作りは、木造で、屋根は瓦でした。講義室は8畳であり、中には机が置いてありました。当時の様子が想像できます。
 今の日本の塾とは全く違う建物の作りや部屋の中でした。江戸時代の人たちは、夏の暑いときはどのようにして暑さ対策を行っていたのか興味深いです。

〔松下村塾にて集合写真〕

「萩城下町」
 「萩城下町」も世界遺産の一つとして登録されています。当日は城下町を散歩する時間も十分で、萩城下町の旧上級武家地や旧町人地について学ぶことができました。私たちと研修員たちは、江戸時代の人たちの生活を想像しながら美しい街並みを満喫することができました。

〔萩城下町散策〕

「萩ツアー」を終えて
 今回のツアーで、萩市の世界遺産を知ることができました。萩市には様々な伝統深い歴史の建造物などがありました。特に印象に残った建物は、城下町です。1600年以降に毛利輝元により萩城・萩城下町が建設されました。江戸時代は士農工商の身分制度が確立されており、城下町も武士と町民が暮らす区域は厳格に区別されていました。①城跡②旧上級武家地③旧町人地の3地区です。
 また、世界遺産は昔の人が試行錯誤を重ねながら残された貴重な跡が感じ取れました。ツアーを通して世界遺産に興味や関心をもちました。海外からの先進技術の導入に加え、海外から留学した人たちの技術が活かされていることが分かりました。私自身も大きな刺激にもなりましたし、日本に留学中の研修員たちも大きな刺激になったと考えます。
 最後に、今回の関係者の皆様、本当にありがとうございました。改めてお礼申し上げます。

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