第4回JICA研修員の学校訪問 島根県邑南(おおなん)町立矢上小学校
2024.01.30
1月30日(火)、バングラデシュ、スリランカ、ナイジェリア出身の3名の長期研修員が、島根県邑南(おおなん)町立矢上小学校を訪問しました。3人にとっては、島根県の訪問は初めて。うきうき、わくわくで、片道2時間の旅がアッと言う間でした。訪問の数日前に大雪が降って、普段見かけないような大量の量の雪にカメラのシャッター音が止まりません。目に入ってくる美しい自然や雪景色を堪能することができた、移動時間でした。さて、どんな交流が待っているのでしょうか。
3人を出迎えてくれたのは1年生の10名です。首を長くして待っていてくださったようで、温かい拍手と素敵な名札のプレゼントに、バングラデシュのルイスさんは満面の笑みがこぼれます。
研修員によるお国紹介から交流がスタートしました。トップバッターはスリランカのニヴァーシャさん。お国の食べ物や衣装など、写真が変わるたびに「うわぁ!おいしそう!」「きれい!」と児童から歓声が上がります。「スリランカでは宝石がとれます。私のサファイヤのイヤリング、素敵でしょう?」と見せると「すごーい!ほんもの!?」と一層反応も大きくなりました。
続いては、ナイジェリアのアリユさんです。ナイジェリアの人口が多いことや、たくさんの部族があることを紹介しました。中でも、挨拶の仕方が相手の立場によって変えるということを、実演を交えて教えてくれました。日本では馴染みのない方法にびっくりした児童たち。その素直な反応にアリユさんも満足そうでした。
最後はバングラデシュのルイスさんです。実際のお金を持参していたので、児童たちも触ることができました。「日本と違う!」とお札に透かしがないことを確認する児童もいました。3人の紹介を聞いて、遠く離れた異国の地を身近に感じることができたようです。「彼らにとって初めて会ったバングラデシュ人が僕ということがいつまでも記憶に残るといいな。」とルイスさん。児童の反応がとても良かったので、その願いは確信に変わったようでした。
お国紹介のあとは、バングラデシュの遊びと日本の遊びを体験しました。「目隠しをしたハエ」という意味の「カナマチ」、その遊び方は、日本の目隠し鬼ごっこに似ています。児童たちもすぐルールを理解し、楽しく遊ぶことができました。目隠しをした鬼以外の人が「カナマチボーボ!」と声を出して自分の方向を知らせます。児童のエネルギッシュな遊び方に研修員も全力で応えます。その後は、羽子板やお手玉、こまやけん玉などの日本の遊びを児童に教えてもらいました。初めてなのに、最初の挑戦で、こま回しを成功させたバングラデシュのルイスさん。2分近く回っていて、本人もびっくりの様子でした。また、ナイジェリアのアリユさんは児童と羽子板のラリーが止まりません。器用な研修員たちに、児童たちも嬉しそう。楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。
昼食と昼休憩を過ごした後は、掃除の時間です。お国の学校では、児童や生徒が掃除をする文化のない研修員たちは、この時間を楽しみにしていました。3人は、それぞれの場所を担当する児童と一緒に、各持ち場へ行きました。全員がほうきを持って、床を掃きながら、黙々と掃除をしました。ルイスさんもアリユさんも「日本の学校における掃除の習慣はとても素晴らしい。母国もやるべきだ。」と口を揃えて言っていました。一生懸命な児童の様子を見て感心したようです。
掃除を終えるとお別れの時間です。手作りのプレゼントまでいただき、たくさんのおもてなしに感動が絶えなかった3人。「今度は私たちの国に遊びにきてくださいね!」と姿が見えなくなるまで見送ってくれた児童へ、お礼の言葉を添えて学校を後にしました。矢上小学校のみなさん、素晴らしい体験をさせていただきありがとうございました。
児童の手作り名札、素敵でしょう?
ナイジェリアの挨拶を紹介するアリユさん
児童からのプレゼントに感激!
scroll