【出前講座 実施レポート】シエラレオネの課題を知って、途上国経験者の立場になって考えてみよう
2024.02.19
鹿野学園では、年に一度「生き方セミナー」というセミナーを開催し、さまざまな職業に就く方々から職業観や生き方について聞くことにより、生徒の視野を広げるという取り組みをされています。警察官やパン屋さんなど多様な職に就く方々が年に一度集まるこのセミナーに、今回JICAデスクも呼んでいただきました!
生徒の代表者によって、それぞれの講師が担当する教室に案内をしていただき、教室の中に入ると拍手で迎え入れられたので、少し気恥ずかしい思いをする中、お話を始めさせていただきました。
ぴしっと背筋を伸ばして前を向くみなさんに少しリラックスしてもらうため、まずは、グループをいくつかつくり、「SDGsババ抜き」をしていただくことにしました。ババ抜きのルールのもと、楽しくゲームをしながらSDGsとはどういうものなのかについて学んでもらうカードゲームです。ババを引いたわけでもないのに、あちこちで悲鳴や笑いが起きる仕掛けがちりばめられているSDGsババ抜きに、みんなが夢中になっていました。終了後には、「納得がいかないからもう一度やりたい!」という声も。
その後、国際協力のお仕事とはどういうものなのか、どういう思いを抱えながら働いているのか、そもそもどういう経験をして国際協力に興味を持ち始めたのかなどについて、私自身の学生時代や、滞在していたシエラレオネ共和国での経験を通して、お話をしてきました。今回、職業観や生き方を伝えるセミナーであったため、私が現地でずっと考え続けていた悩みについて生徒のみなさんに一緒に考えていただこうと思い、ひとつの質問を最後に投げかけてみました。シエラレオネは世界の最貧国の一つであり、いろいろな課題が存在します。そのため、現地で暮らして生活をする中で、頻繁に友人や近所の子どもたちの不幸を目の当たりにします。その一例を示し、もし同じ状況に出くわしたら、みんなならどうするのかについて、グループで話し合っていただきました。正解のない質問であったため、どのグループもひとつの答えを出すのが難しく、自分ならこの答えを選ぶと言いながらも、みんなそれがベストであるとは思っていない様子でした。この質問を通して、戦争をなくすといった大きすぎる課題ではなく、自分にもなにかできそうな気がするのにできないもどかしさについて、ほんの少し共有することができたのではないかと思います。そんなもどかしさを抱えながら、より多くの人が幸せになれる未来について考えて活動をしていきたいというお話をさせていただきました。
授業が終わった後、なんと生徒全員からシエラレオネでの生活やJICAの仕事に関する質問をしていただいたので、ひとりひとり、できるだけ丁寧に回答をしました。その中で私自身も自分の人生や経験を振り返ることができ、貴重な体験となりました。
鹿野学園のみなさんが、将来どのような人生を歩んでいかれるのか、今からとても楽しみです!
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