ースタートアップチャレンジへの道のりー より良い生活のために人々を繋げる JICA研修員インタビュー Vol.2
2024.03.28
広島大学在学中のJICA留学生、RADYAN PUTRA PRADANASUGIHARTOさん(以下、プラダナさん)が同大学の他のインドネシアからの留学生と共にエントリーをしたチームが、「東広島市・学生発スタートアップチャレンジ2023」にて採択された10件の1つとなりました。チームメンバーであり、昨年9月に博士課程を修了した元JICA留学生のREZA ABDULLAHさん(以下、レザさん)と共に、JICAインドネシア事務所での勤務経験を持つ所長の村岡との対談の第二弾。JICA中国、広島大学が立地する東広島市での生活、やさしい日本語について、並びに、日本インドネシア両国関係の今後の発展について、語りあいました。有意義な時間となりましたので、2回に分けてお届けします!
左より、プラダナさん、村岡所長、レザさん、民間連携事業担当:藤原
所長 ここ東広島市の人口のほぼ5%と高い確率で、外国籍の住民が住んでいます。このような状況下において、東広島市をより相互理解を深め友好的な街にするためのアイデアはありますか?
プラダナさん この町はとてもユニークですよね。無人運転のバスを走行されるということで、ハイテクノロジーの活用と、酒祭りという伝統的なお祭りが融合しています。また多くの外国人居住者を見かけますね。市役所では英語だけではなく、インドネシア語の表示もありました。驚きましたよ。
所長 10月に東広島市西条で酒祭りもありましたね。行かれましたか?
プラダナさん はい行きました。
レザさん 東広島国際フェスタもありましたね。
所長 そうですね。JICAもブースを出展しました。先日は、「やさしい日本語セミナー」を開催しました。日本人が外国籍住民と快適なコミュニケーションをとるためにはというテーマです。日常生活にて言葉の壁を感じたことはありますか?
東広島国際フェスタ JICA中国ブース
プラダナさん 個人的な意見ですが、日本人は積極的に話しかけてくる方が少ないですね。そうすると興味を持ってもらえていないのかな、という気持ちになります。私たちは興味を持つと積極的に話しかけるのですが、日本語となると、自分の言っていることを理解してもらえないかもと思って声をかけづらく、コミュニケーションの壁ができてしまいます。
藤原 日本人はみなさんに興味を持っていてもシャイなだけだと思いますよ。英語は小学生の時から習い基本的なことは話せるけれども使う機会が少なくて自信を持って話せないだけだと思います。
所長 この東広島市には、100か国弱の外国籍の方がいらっしゃいます。英語が母国語じゃない人もいます。だからこそ「やさしい日本語」の活用を試みています。学校に通う外国籍住民が多くいると聞いています。日本人と外国籍住民の間でより多くのコミュニケーションを図り、より住みやすい街にしていくことを願っています。
「やさしい日本語セミナー」村岡所長あいさつ
「やさしい日本語セミナー」登壇者皆様と共に
所長 今年(2023年)は、日本インドネシア外交関係樹立65周年でした。両国の関係性に期待することはありますか?
プラダナさん インドネシアと日本政府の間には、国家間の非常に戦略的なパートナーシップがあります。JICAのSATREPSプロジェクトに参加しています。プロジェクトではエネルギーを消費せずに建物を冷やす技術設計の研究をしていますが、私がプロジェクトに参加できるのはこの戦略的パートナーシップのおかげだと思っています。技能実習生や特定技能生として働くインドネシア人にも更なるレベル向上の機会をいただいていると思います。
レザさん とても難しいですが、大変興味深い質問ですね。大統領候補になった気分です。JICA研修員だった者として、startupの話もしましたが、JICA主催のstartupコンペティションを企画してはいかがでしょうか。JICAから現在の問題を提示して、それを解決するアイデアを参加者は提供する。そして毎年継続することで名声のあるイベントにしていく。これによって日本だけではなく、アジアの国の問題解決を提供することで国境を越えてこの先も友好関係が続くのではないでしょうか。
所長 貴方たちが、広島大学で学んだ技術と、スタートアップチャレンジに参加したという活発的な行動は、私達と共にこの東広島市に貢献できそうですね。経験が恩返しとなりますね、互いに努力していきましょう。
1時間にわたる貴重な時間となりました。
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