第2回JICA研修員の学校訪問 広島県立加計高校訪問
2023.11.07
加計高校の生徒たちと
2023年11月7日(火)、11名のJICA研修員が広島県立加計高校を訪問しました。この日集まったのは、エチオピア、カンボジア、ケニア、キリバス、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、モンゴル、ラオスの合計9か国の研修員です。中には素敵な民族衣装をまとった研修員もいて、この日の学校訪問を心待ちにしていた様子がうかがえます。「加計高校は広島県の北部だから、紅葉も見れるかな。」と地方の景色を楽しみにしている研修員もいて、車窓から見える山並みや村々の秋の風景も大好評でした。
学校に到着すると、近くにいた生徒たちが「こんにちは!」「Hello!」と手を振ってくれ、研修員も嬉しそうに手を振り返していました。
加計高校は国際交流に力を入れている学校です。この日も色々なプログラムを準備してくださっていました。最初に、生徒たちがソーラン節、空手、書道パフォーマンスを披露しました。「ソーラン節はもともと漁師さんたちの歌です。」との説明を聞いて、「私の国は漁が盛んだから、国を思い出しました。」と言ったのは、キリバスのロリさんです。また、空手のパフォーマンスを食い入るように見ていたのは、ナイジェリアのベットさんです。なんと現在、日本で空手を習っているそうで、黒帯の演武に夢中でした。
生徒のパフォーマンスの後は、研修員のお国紹介です。この日のために作ったパワーポイントを使って紹介しました。実はこのパワーポイント、9か国分もあるので、「1か国スライド3枚。3分で終わるように」と事前に伝えていたのですが、長くなる人が続出!「僕はズルをしたんだ。スライドは3枚だけど写真をたくさん貼り付けたんだ。」ニヤッと笑ったのはエチオピアのマックさんです。自国について皆に色んなことを知って欲しかったのですね。他にも、お国の歌を披露したり、踊りの動画を紹介したりと、それぞれ工夫を凝らしてお国を紹介しました。
午後からは和食作り・日本文化体験・箸作りの3グループに分かれての日本文化体験です。また、全員で茶道を体験しました。研修員がお茶とお菓子をいただくだけでなく、自分でもお茶を点てる体験もしたのですが、ここで初めてとは思えないような腕前を披露したのは、ナイジェリアのベットさんです。抹茶にきれいな泡が立ってとても美味しそう!また、お茶を飲む手順も一度お手本を見ただけでしっかりと覚えているではありませんか。思わず「本当に初めて?」と聞いてしまいました。日本文化体験では、他にも、けん玉や神楽の衣装、射的やかるたなど、本当にたくさんの体験を準備してくださっていました。
和食作りでは、炊き込みご飯、お味噌汁、おひたし、だし巻き卵を作りました。「少しでいいから僕たちも試食したい。」というほかのグループの研修員からのリクエストに応えて、全員が試食することができました。バングラデシュのライハンさんは「僕が一番気に入ったのはおひたしです。」と嬉しそうに食べていました。
箸作りに参加した4名は、黙々と木を削って箸を作りました。箸作りもさることながら、皆が苦労したのは箸の使い方です。自分の作った箸を使って豆つかみゲームをすると聞いて、一生懸命練習しますが、なかなかうまく動かすことができません。「よーい、スタート!」研修員4名と加計高校生2名の6名が、30秒間豆を箸で隣の皿に移動させるゲームに参加しました。緊張でみんなが苦戦する中、優勝はバングラデシュのモニルさん。22個という好成績で優勝し、得意満面の笑みを見せてくれました。
あっと言う間に楽しい交流時間が終わり、お別れの時間がやってきました。あちこちで写真撮影が始まります。2~3人で写真を撮っていると、「私も!」「入れて!」と、どんどん人数が増えて、なかなか撮影が終わりません。皆、別れを惜しんでいるようでした。
研修員の多くが、生徒たちが礼儀正しく、とてもマナーが良くて驚いたと述べていました。パキスタンのナディアさんは、「(調理室や体育館に入るたびに)靴を履き替えたり、ゲストを敬い、全員でもてなし、全てがすばらしかった!」と絶賛していました。加計高校の皆様、本当にすばらしいおもてなしをありがとうございました。
女子生徒に衣装を着せてあげるキリバスのロリさん
一心不乱に箸作り!
だし巻き卵担当、バングラデシュのイムランさんとラオスの二ランクンさん
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