ウクライナ研修員を招へい~地方行政能力強化(紛争影響国における地域社会再建)コース実施~

2023.12.05
JICAの技術協力で短期研修事業の一つである課題別研修です。主に紛争影響国における地域社会の再建を通じた平和構築の取り組みと、その中での地方行政・コミュニティの果たすべき役割の理解を目的としたプログラムです。参考として、日本の地域開発・地方自治制度・戦災や自然災害からの復興経験を紹介し、参加国の行政官同士が地方行政にかかる課題や知見を共有するプログラムでもあります。
閉講式にて
JICAは日本政府の方針に沿う形で、優先課題(①復旧に向けた基盤整備、②生活再建・環境改善、③産業振興・輸出促進、④民主主義・ガバナンス強化)を中心として短期的及び中長期的な協力・支援の拡大を検討・実施しています。
特に、ウクライナが民主主義国家として健全な復興と発展を達成するためにも④の民主主義・ガバナンスの向上は不可欠であり、本研修は先方政府のニーズに合致することから、ウクライナ研修員2名を受け入れることとなりました。
本プログラムでは被災地の復興という観点から広島の平和記念公園、原爆ドームの視察はもちろんのこと、東北での東日本大震災の復興地の視察をしました。津波の甚大な被害を受けた宮城県・東松島市や、福島第一原発事故で原発周辺地域からの避難民を多く受け入れた福島県いわき市を視察しました。
研修員たちは講師より被災当初の苦労話や復興へ向けた様々な行政と市民の取り組みを学び、自国での復興や地方行政再建のヒントを得ました。
(津波被害を受けた小学校の跡地:KIBOTCHAにて↓)
※当時の詳しい様子は写真とともに当センターのXへも投稿しております。ぜひご覧ください。
https://twitter.com/jica_chugoku/status/1724983018773938407
旧津波被害を受けた小学校の跡地:KIBOTCHAにて
宮野森小学校の見学時、子供たちとの交流
久ノ浜職員のお二人より貴重なお話を伺いました。
・オクサナ・コルティクさん(写真左)
一番印象に残っているのは、広島市、記念館を訪れ、広島の復興の道のりを描いた本を読んだことです。私にとっては、災害や破壊を乗り越えてコミュニティがどのように良くなるか考えていたので大変良い例を学べました。また、私は抹茶が大好きになりました。休日は日本食や日本文化も楽しみました。
・ヴォルディミール イェルマクさん(写真右)
私が最も印象的だったのは、日本人の団結力です。日本はとてもコミュニティ志向の国だと思いましたし、日本の地方行政について本コースで多くのことを学び、非常に興味深かったです。また日本の社会基盤についても驚きました。例えば日本の町はどこもきれいで、ゴミが落ちていないことに感動しました。廃棄物管理がどのようになっているかについても興味が湧きました。また、広島平和記念資料館や広島平和記念公園にも足を運び、とても感銘を受けました。日本食も色々と挑戦しました。
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