【実施報告】島根県立宍道高校「多文化共生を考える日」を実施しました

#11 住み続けられるまちづくりを
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2023.12.01

定時制と通信制から成る宍道高校は、2021年度から外国につながる生徒(CLD生=Culturally Linguistically Diverse、文化的・言語的に多様な背景をもつ生徒)の重点受入校となっています。宍道高校で勤務する高橋良子先生は青年海外協力隊の経験者で、これまで高校生国際協力体験プログラムの引率や島根県JICAデスクとも密に連携していただいています。高橋先生は宍道高校でのCLD生の受け入れ体制の立ち上げの時から主担当を務めています。CLD生だけではなく、全校先生を巻き込んで多様性を楽しむ雰囲気を作りたいと、多文化共生や異文化への理解が深まるような研修やイベントにチャレンジしてきました。そのひとつとして、JICA中国との共催で、昨年から始まったのが「多文化共生を考える日」です。在校生や教員約300人がCLD生の発表やゲームなどを通して、違いを理解し自分らしくいられる学校づくりについて考えました。今年は11月22日(水)に終日のプログラムとして実施しました。

前半はCLD生と生徒会が文化の違いを寸劇で紹介!

恒例になった宍道高校の全校生徒と先生が参加するこのイベント、オープニングでは生徒会メンバーや教員も交じり、ブラジルと中国の授業をそれぞれ寸劇で発表しました。ブラジルの自由でにぎやかな雰囲気に対し、中国では教室に監視カメラがあり先生も厳しいといった文化の違いをとても分かりやすく表現していて、見ていた生徒からはときおり笑い声や驚きの声が上がっていました。
その後はそれぞれのCLD生から、ブラジルでは掃除や家庭科の時間がないこと、フィリピンでは体育祭は5日間もあり、また長期休暇には宿題がないこと(生徒からは最高!の声が(笑))といったような日本の学校との違いに驚いたことを発表しました。先生曰く前日までのリハーサルまではどうなるか心配だったみたいですが、当日はそんな雰囲気を一切感じさせずとても堂々とした発表でした。

後半はゲームを通して「ちがい」を学ぶ

後半は二手に分かれ、1年生は「異文化体験」ゲームと青年海外協力隊経験者による異文化体験談発表を行いました。前半のCLD生たちの発表から他者を尊重する大切さや多様な価値観があること知りましたが、ゲームを通して疑似的に当事者になってみると、ついつい自分の当たり前を押し付けてしまったり、反対に当たり前だと思っていたルールが通用せず戸惑ったりということを生徒たちは体験しました。言葉や当たり前の常識が通じない異なる文化を目の当たりにした時に、どのようにしてお互いに理解しあえばよいのか、生徒たちはさまざまな想いを抱いたようです。

CLD生の話を聞いて、実際に疑似体験をした後は、ランチで多文化を感じてみよう!、ということで、スリランカカレー、ガパオライス、キャッサバフライ、うどん、ピザ、ケバブ、フェアトレードのチョコレートなどなど、生徒たちは楽しく美味しく色んな国の食文化も体験しました。

今年はCLD生の「こんなことがやりたい、知ってほしい」がたくさん詰まった内容でした。彼らの発表部分は全て自分たちで企画・準備してきたそうです。これからの宍道高校と、今から来年の「多文化共生を考える日」が楽しみですね!

(記:島根県JICAデスク)

今年はCLD生が主体となり「多文化共生を考える日」の準備をしてきました。

ブラジルの授業風景を寸劇で紹介しました。

食事からも多文化を実感しました。

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