【教師海外研修 授業実践】大田市立静間小学校

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2023.12.13

 島根県大田市立静間小学校の田淵野藍先生は、2023年度JICA教師海外研修に参加され、ナミビアを訪問しました。2023年12月13日(水)、1~2年生を対象に、国内外の研修で学んだことを活かして道徳の授業を実践されました。

私たちと世界はつながっているよ

 「先生がいつも着ている服、どこで作られているのかな?」
 電子黒板に自身の写真を写しながら、田淵先生が児童に聞きました。口々に意見を述べる子どもたちに、続けて問いました。「ではみんなの体操服は?今みんなが着ている服はどうだろう?調べてみよう」。子どもたちは、自身の服のタグを見て「中国!」「ベトナム」「バングラデシュ、って書いてあるよ」と、衣服が世界各国で作られたものであることを驚きの表情で発見していきました。
 続けて田淵先生は問いかけました。「私たちの服を作ってくれている外国の人は、どんな生活をしているんだろう?その人たちのこと、知らなくていいのかな?」。

同じところ、似ているところ、違うけれどすごいところ

 田淵先生は、子どもたちに数本の札を配り、ナミビアの写真を写しました。札には「いいな」「すてき」「おなじ」「ちがう」といった感想が書かれています。すでに全校集会でナミビアの話を聞いている子どもたちは、改めて見るナミビアの街並み、学校の様子、食事や衣服などを見ながら、思い思いの感想の札を上げていきました。
また、この時間は司書の先生方と一緒に計画した授業で、世界各国の生活や習慣、お祭りが紹介された『世界の文化と衣食住』という本が全員に配られました。児童は本に掲載されている写真で良いな、と思うものを次々に見つけ、本はあっという間に付箋だらけになっていきました。

 同校には現在、外国につながる児童がおらず、またALT(Assistant Language Teacher:外国語指導助手)も週1回の巡回であることから、児童が日常の中で他国の人や文化とつながる機会が少ないそうです。外国について学習する前の小学校低学年の児童には、なおさら、世界は遠いものに違いありません。そこで田淵先生は、身の回りに世界とつながっているものがあることを発見することで、まずは様々な国について知りたいという想いを持ってほしい、他国の文化に興味を持ってほしい、と考え、この授業を計画したそうです。
 
 最後に、田淵先生はナミビアから持ち帰った雑誌や新聞、紙幣やナミブ砂漠の砂といった現物を紹介しました。「日本のお金とちがうけどかっこいい!」「学校の砂よりサラサラしてすごい!」「ちがうから面白い」と実際の物品を手にしながら感想を言い合う子どもたち。日々接する身近な先生が訪問したことで、遠いアフリカのナミビアという国が、彼らにとって少しだけ近い場所になったのではないでしょうか。

ナミビアの写真に感想を上げる児童

たくさんの感想があがりました

日本のお金と似てるかな?

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