【実施報告】県内の病院などで看護技術や制度を学んだ日系社会研修員の研修修了式が行われました。

#3 すべての人に健康と福祉を
SDGs

2023.12.19

日系社会研修とは、島根県から提案を受けJICA中国が日系社会研修員の受入れを委託して行う国民参加型事業です。中南米地域日系社会への技術協力を通じ、日系社会の発展と移住先国の国造りに貢献するとともに、県民に幅広くこれら事業への参加を促進、助長することを目的に実施しています。

日本とブラジルを繋ぐ看護師を目指して

今年の7月にJICA日系社会研修員としてブラジルから島根県にやってきたパウリノ 佐々木 フェルナンダ みなえさんは、約5か月間の研修を通して多くの人と出会い、島根県の文化に触れ、日本の看護技術や医療制度・医療機器の使用方法などを学びました。12月19日(火)には島根県立大学出雲キャンパスにて、お世話になった関係者のみなさんを前に流暢な日本語で最終報告会を行いました。

初めの一か月は生活や研修に必要となる基本的な日本語や医療分野の専門用語の勉強から始まりました。
その後は島根県立大学や島根県立中央病院で本格的な研修を開始。初めはとても緊張したそうですが、一緒に働く学生や看護師のみなさんが優しく接してくれてとても嬉しかったそうです。
研修の一つとして滞在した小児科病棟ではおもちゃやゲームを活用し、手術に向かう患者の恐怖心や不安を取り除こうとする看護師が印象的だったとし、「ブラジルではあまり見ない、とても素晴らしいこと」と話しました。またベッドや診察室にカーテンがあることにも触れ、「子どもから大人まできちんとプライバシーが守られている」と研修を通して気づいたことや学んだことを発表しました。ブラジル人が多く住んでいる出雲市内の病院で研修をしていた際には、訪れた患者の通訳を急遽担当することになったエピソードも紹介し、「役に立つことができて嬉しかった」と笑顔を見せながら話してくれました。

佐々木さんは病院等での研修以外にも文化研修として、県内の観光地を訪問したり、醤油蔵の見学や陶芸体験をしたりしました。島根県が実施している県内に住んでいる外国人と日本人の交流プログラム「交流の翼inしまね」では、 参加者のみんなと一緒に着物を着て松江市内を散策し、華道体験や竹のお箸作りなどを通して多くの友だちもできたようです。
最後に佐々木さんはブラジルへの帰国後は日系病院への就職を目指し、「島根県での素晴らしい経験をブラジルで生かしたい」と力強く話してくれました。

日本とブラジルとの様々な違いを実感しつつ、周囲の方々の温かさに助けられながらとても充実した研修であったことが感じられる素敵な発表でした。
佐々木さん、5か月間の研修お疲れ様でした!
また島根県立大学、島根県立中央病院をはじめ応援してくださったみなさまどうもありがとうございました。

(記:島根県JICAデスク)

研修を通じて学んだことを堂々と発表しました。

島根県環境生活部長より、遣島使の委嘱も受けました。

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