萩光塩学院の中・高校生と交流!山口大学留学中のJICA研修員等が萩市で「日本の近代化・産業革命遺産を学ぶ」フィールドワーク
2024.12.16
萩光塩学院高校生の皆さんと
12月16日(月)、山口大学で研修中のJICA研修員11名(5カ国・地域(パレスチナ、ラオス、ボリビア、バングラデシュ、ネパール))の参加を得て、萩市で「日本の近代化・産業革命遺産を学ぶ」フィールドワークを実施しました。このフィールドワークは2022年から年1回実施しています。
今回は、(一社)萩市観光協会のご紹介により、地元の中学生・高校生と交流する機会をプログラムに加えることが出来ました。研修員たちは萩光塩学院の中学生・高校生に自国の生活や教育制度を発表し、また生徒たちからは萩市や日本の学校について紹介があり、意見交換を実施しました。バングラデシュ研修員が「バングラデシュには1年に6つの季節がある」と話したところ、生徒たちからは驚きの声が挙がりました。また、ネパール研修員がネパールで有名なモモという餃子のような食べ物の写真を投影したところ「おいしそう!」「ネパールに行ってみたい」との感想に研修員もとても喜んでいました。最後に研修員は生徒たちへ「日本の教育制度は素晴らしい。このような恵まれた環境下で学べるあなたたちは将来世界に貢献していく責任があると思います」と伝えました。
貴重な機会を頂きありがとうございました!
次に萩・明倫学舎へ移動し、ガイドによる案内のもと、幕末から明治にかけての日本の発展時に活躍した人物について学びました。研修員たちは、日本の近代化・工業化を牽引した「長州ファイブ」のパネルの前で記念撮影をしたり、幕末に洋式軍艦を建造する際に用いられた、大板山たたら製鉄の作業を再現した足踏みを体験しました。
幕末ミュージアム小川コレクションでは、江戸時代の歴史的な科学技術史資料を見学しました。ネパールの研修員は、当時の日本は世界のどの国から技術を得ていたのか熱心にガイドに質問していました。
また、萩市のマスコットキャラクターである「萩にゃん。」が研修員に大人気で、「萩にゃん。」のストラップやキーホルダー、ハンカチをお土産として購入しました!
萩・明倫学舎で映像やパネルの説明を聞いた後、実際に「恵美須ヶ鼻造船所跡」、「萩反射炉」及び「松下村塾」を見学しました。
2015年にユネスコ世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」は、全国8県11市に点在する23の資産で構成されており、そのうち萩市には5つの資産があります。そのひとつである恵美須ヶ鼻造船所跡を訪れた一行は、スマホでQRコードを読み込むことで当時の船をVR映像で見て楽しみました。ロシア式の技術を取り入れて作られた船「丙辰丸」、オランダ式の技術が用いられ作られた船「庚申丸」の2つの異なる造船術が確認できる唯一の造船所として貴重な遺跡でもあります。研修員たちは2船の帆の貼り方や帆柱の数の違いに注目していました。
恵美須ヶ鼻造船所跡のすぐ近くにある萩反射炉は、西洋の技術を取り入れて日本がモノづくり大国となる最初期の産業革命遺産の一つです。海防強化の一環として試作的に築造されたと考えられており、現在はおよそ10.5メートルの煙突にあたる部分が残っています。しかし、この反射炉はすぐ近くを走る山陰本線の振動や雨風により少しずつ姿が変わっています。研修員たちは5年後10年後は形を変えているであろう「今の萩反射炉」を撮影しました。
最後に、江戸時代末期に活躍した志士であり、優れた教育者でもある吉田松陰先生が教鞭をとった私塾「松下村塾」を見学しました。木造瓦葺きの平屋建て松下村塾をみて、ラオス研修員は「アニメーションでみた昔の日本の家と同じ」と言い、松陰先生の幽囚部屋に祀られている神棚にも関心を抱いていました。石碑に刻まれている松陰先生が詠んだ句「親思う 心にまさる親心 今日のおとづれ何と聞くらん」の訳を聞いたバングラデシュ研修員は「とても良い詩。私も母国を離れ日本で勉強しているので家族をとても恋しく思う」と話してくれました。
学業に御利益があると言われている松陰神社を皆で参拝しツアーは終了となりました。
最後になりますが、今回のフィールドワークにご協力いただいた皆様方に、あらためて御礼申し上げます。
萩光塩学院の生徒による学校紹介
恵美須ヶ鼻造船所跡地
線路のすぐ側に在る萩反射炉
松下村塾の前でパチリ
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