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地元の高校生と意見交換!岡山大学留学中のJICA研修員等が倉敷市水島でフィールドワーク

#3 すべての人に健康と福祉を
SDGs
#12 つくる責任、つかう責任
SDGs
#14 海の豊かさを守ろう
SDGs

2024.08.08

有意義な1日でした。(水島展望台にて。)

萩原工業株式会社様を訪問

 8月8日(木)、JICA研修員3カ国5名(ブラジル1名、ケニア3名、南スーダン1名)の参加を得て、倉敷市水島でフィールドワークを実施しました。このフィールドワークは「みずしま滞在型環境学習コンソーシアム」(以下「コンソーシアム」という。)様のアレンジで、2020年から年1回実施しています。
今回は岡山大学大学院に留学中の長期研修員4名に加え、日系社会研修の研修員1名も参加しました。日系社会研修とは中南米の日系社会と日本の連携に主導的な役割を果たす人材を対象とした研修で、今回参加したのはNPO法人工房尾道帆布様にて研修中のブラジルの研修員です。
9時15分にJR岡山駅に集合後マイクロバスにて出発。本日の最初の目的地は水島コンビナートの中にあり、ブルーシートの生産国内トップの萩原工業株式会社様です。岡山県南部の産品であった「い草」と「綿糸」から畳表を製造する事業が、産業構造の変化により、現状に至るまでの経緯をお話しいただき、企業と地域開発との関連について学びました。その後、製造ラインとブルーシートのリサイクル施設の見学もさせていただきました。研修員はブルーシートのリサイクルに積極的に取り組む同社の「つくる責任」を重視する姿勢に感銘を受けたようです。

高校生による活動発表と意見交流

 次に倉敷市環境学習センターに移動し、コンソーシアム会長 古川明様からコンソーシアムの活動の紹介の後、研修員と岡山県立倉敷古城池高校の生徒さん7名は、各々が持参した昼食を一緒に食べました。昼食の後、同校の先生から様々な地域連携活動の紹介があり、続けて高校の7名の生徒さんにより、今年アメリカで披露された水島地域でのフードロス削減の啓発活動についての英語によるプレゼンテーションが再現されました。倉敷市の水島地域では、多様な主体の協働による地域づくりが進んでおり、倉敷古城池高校では探究学習の一環として、こども食堂、海岸生物&ごみ調査、公民館での防災非常食活用講座など、様々な分野で地域と連携した取り組みを行っているとの事、発表の後は、和やかな雰囲気の中、意見交換が行われました。
日本語の「MOTTAINAI(もったいない)」の精神を世界に広めることに尽力された、環境分野での初のノーベル平和賞受賞者である、ケニア出身の環境保護活動家ワンガリ・マータイさんのことも話題にあがっていました。高校生という若い世代が能動的に持続可能な開発目標のための活動を実践する姿は、研修員に大きな刺激となったようです。
その後、古城池高校の7名の生徒さんと一緒に、倉敷市環境監視センター職員の方から、環境を守る行政の仕事について説明を受け、倉敷市環境学習センターの施設を案内していただきました。また、環境に優しい水素燃料電池自動車も見学させていただきました。この水素燃料電池自動車は環境教育のために出前講座や施設見学などで活用されたり、倉敷市の公用車としても使用されているとのことでした。

有意義な1日を終えて

 最後に鷲羽山スカイラインにある水島展望台から水島コンビナートのある工業地帯と住宅地の立地を俯瞰しました。そして、本プログラムを企画し、終日同行してくださったコンソーシアム事務局のみずしま財団理事・研究員 塩飽敏史氏からお話しを伺いました。『今日のフィールドワークが、環境、地球、人との繋がりについてもう一度考える機会になれば幸いです。』また、『持続可能な開発目標の達成のためには、若い世代の理解や活動が不可欠であり、最も重要です。』
水島フィールドワークは2020年度から年に1回実施して来ています。これまでフィールドワークに参加した研修員は母国の行政等に携わっており、このフィールドワークでの実体験は何らかの形で、帰国後の業務に活かされていると考えます。また、今年度は新しい試みとして、プログラムに高校生の発表と意見交換を加えました。高校生にはJICA研修員やJICAの活動の一端を知ってもらう機会にもなりました。これを機に、高校生の国際協力に対する興味が少しでも高まれば幸いです。最後になりましたが、今回のフィールドワークにご協力いただいた皆様方に、あらためて御礼申し上げます。

ブルーシートの製造ライン見学。

研修員が持つシートも同社の製品です。

岡山県立倉敷古城池高校生との意見交換。

倉敷市環境学習センターに展示中の水素燃料電池自動車。

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