【実施報告】スーダン人と鳥取市民のお茶会開催!


2024.06.12
参加者にアラビア語表記の名前を教えるJICA研修員
2024年6月8日(土)に、鳥取市国際交流プラザにおいて、JICA中国主催、icotto共催で、鳥取在住のスーダン人15名と、鳥取市民約50名の交流会として、お茶会を開催しました。スーダンの国紹介、スーダン方言のアラビア語、スーダンのおやつ、スーダンの飲み物、スーダンの伝統衣装試着、そして鳥取に暮らす15名のスーダン人とその子供たち、まさにスーダンづくしのイベントとなりました。
「ピラミッド」や「ナイル川」という言葉を聞いて多くの日本人がまず思い浮かべる国は、エジプトではないでしょうか? ですが、実はスーダンに残されているピラミッドの方がエジプトよりも多く、また、ナイル川は青ナイル川と白ナイル川が合流して形成されるのですが、その合流地点はスーダンの首都ハルツームにあり、そこからエジプトへと流れていくのです。そういったことを参加者には是非知ってほしいという思いで、スーダンの自然や文化、または料理について、写真や映像をたくさん使って、紹介していただきました。
せっかくの機会なので、スーダンで使われている簡単なアラビア語を使って、スーダン人とやり取りをするアクティビティを三つ取り入れました。①「自分の名前のアラビア語表記をアラビア語を使って教えてもらおう!」②「アラビア語を使ってスーダンのおやつをもらおう!」③「アラビア語を使ってスーダンの飲み物をもらおう!」の三つです。
この三つのアクティビティのために、はじめにアラビア語でのあいさつや、「これは何ですか?」や「〇〇が欲しいです」などの言い方をみんなで学んで練習し、その後、実際にそれらのアラビア語を使いながら、各ブースにいるスーダン人に話しかけ、みなさんそれぞれ欲しいものを手に入れていただきました。
親子での参加者の様子を見ていると、「これがあなたの名前ですよ」とアラビア語表記の名前の読み方を説明されて笑顔になる男の子のとなりで、「すごい!かっこいいじゃん!」と保護者の方が驚いて声を上げていました。中には、ただ書いてもらうだけではなく、自分で書くことができるように、何度も書き方を教えてもらい、ようやく正しく書くことができた時にお互いに拍手をしている姿を見ることもできました。
スーダンのおやつは、当初、一種類だけ作っていただくようにスーダンの方々にお伝えしていたのですが、もっといろんなおやつがあることを知ってもらいたいというスーダンのみなさんの気持ちが強く、何種類ものおやつを作ってきてくださいました。お茶の準備に関しても同じです。こちらでペットボトルの紅茶を準備しようと思っていたのですが、「それではスーダンの文化は伝わらない」と飲み物に関してもこだわって複数の種類を準備していただきました。会場のみなさんは、見たことのないけれどなんだかいい匂いでおいしそうに見える食べ物、そして飲み物に興味津々で、あっという間になくなってしまいました。
三つのアクティビティのほかにも、スーダンの伝統衣装の試着ブースも、スーダンの方々のアイディアにより用意していただき、みなさん試着して記念撮影をしていました。
スーダンの方々とお話をすると、とても幸せな気持ちになることが多く、その反面どうしてこんなにも穏やかで優しい人たちの国で内戦が起きているのだろうと、とても胸が痛くなります。今回のイベントでも内戦について少しは参加者に知ってもらうべきなのでは、と考えていましたが、彼らとの打ち合わせの中では、内戦についてはひとりも触れず、「スーダンの文化について知ってもらうためには・・・」という言葉を何度か聞き、みなさんのスーダンへの愛や文化を誇りに思う気持ちだけが強く伝わってきました。とにかくスーダンの人々の優しさ、そして文化のすばらしさを知ってもらうことにこだわった結果、スーダン人も日本人参加者も、みんなが終始笑顔になれる交流会となりました。
スーダン人の代表として鳥取大学のIzzat先生が、イベント開会のあいさつとして鳥取への特別な思いなどを日本語を交えてしてださったのですが、その中で「今はスーダンはいろいろあって旅行することはできないですが、平和になったらみんなに来てほしいです」とおっしゃっていました。一日も早く、そんな日が来ることを願ってやまないです。
鳥取のスーダン人が勢ぞろい
いろんな種類のスーダンのおやつ
飲み物を受け取る様子
scroll