【実施報告】JICA中国のインターン学生が東広島市の「にほんごひろばU-18」でレクリエーションを行いました!



2024.08.31
今夏、JICA中国ではインターンシップとして大学生を3名受け入れました。今年度のインターンシップのテーマは「多文化共生」。地域において、JICA中国は外国人材受入・多文化共生の促進にどのように関わり、貢献しうるのか、JICA事業に携わり、地域の活動に参加することで学生の視点から考えてもらいました。
インターンシップの一環として、学生は「にほんごひろば U-18」の活動に参加しました。「にほんごひろば U-18」は外国につながる子どもの学習サポートを行うクラスで、長く東広島市で活動している市民団体「こどものひろばヤッチャル」と(公益財団法人)東広島市教育文化振興事業団、東広島市国際化推進協議会の共催で運営されています。インターン学生は、毎週水曜日の夕方に行われる教室で子どもたちの宿題をサポートするボランティアを体験したのち、2024年8月31日(土)に開かれた外国につながる子ども達向けの「にほんごひろばU18お楽しみ会」で、レクリエーションを行いました。
「にほんごひろばU18」には、日本語でのコミュニケーションがスムーズにできる生徒から来日してまもない児童まで、様々な子どもたちが集まります。ルーツとなる国も年齢も異なる子どもたち全員に楽しんでもらうにはどうしたらよいか、インターン学生は学習支援のクラスで得たわずかな情報をもとに、日々頭を悩ませながらお楽しみ会のレクリエーションプログラムを考えていきました。
「お楽しみ会」の当日、インターン学生は2つのプログラムを行いました。最初はいくつかのヒントを基に国名を考え、その国の国旗に使われる色を当てるクイズです。
ホールには紐で作られた色の異なる輪が5つ並べられました。インターン学生が、現地語で「こんにちは」は何というか、その国がある地域や気候などのヒントをやさしい日本語で発表していくと、聞いた子どもたちは「わかった!簡単だよ!」と声をあげ、その国の国旗に使われている色の輪をめがけて走っていきました。
インターン学生が驚いたのは、子どもたちが自身の母国だけでなく、友達の国についてもとても良く知っていることでした。現地語での挨拶を聞くだけで「○○君の国だ!」とすぐにピンときた表情で、国旗の色の輪に向かって早々に駆け出す子どもがとても多く、「ちがい」を自然に、当たり前のこととして受け入れている子どもたちの様子は、母国のクイズが出たときの誇らしげな表情とともに強く印象に残ったようでした。
そしてもう一つ、保護者も含めた全員が一緒にできるアクティビティとして、オリジナルの大きな世界地図パズル作りを行いました。一人1枚のピースを配られた子どもたちは、手持ちのピースを友人のピースと合わせ、協力し合いながら、あっという間に大きな世界地図を作り上げました。
インターン学生が今回のレクリエーションプログラムを企画するにあたり、学校や普段の生活で言葉の壁で苦労している子どもたちにも楽しんでほしいと考え、言葉を使わずに全員が一緒に取り組めるものとしてパズルを思いついたそうです。そして、日本の学校では少数派になってしまう子どもたちに、母国やつながりのある国を誇りに思ってほしい、文化や習慣の違いから学校では悩みを抱えているかもしれないけれど、ちがいは個性であり、本当は強みであるといつか気づいてもらえたら…、という想いから、彼らのルーツである国に触れることができるクイズを企画したとのことでした。
「にほんごひろば U-18」の関係者の皆さん、インターン学生に貴重な機会をくださり、誠にありがとうございました。そしてインターン学生である広島大学大学院の村瀬みゆさん、広島大学の大智みらいさん、関西学院大学の杉町晏珠さん、皆さんの前向きに地域に関わろうとする姿勢、出会った子ども全員の顔を思い浮かべて企画を考える優しさと熱心さに、私たちJICA中国のスタッフも大いに学ぶことがありました。本当におつかれさまでした!
クイズのヒントを出すインターン生
みんなで「世界」を作り上げました!
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