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【山口県】 第2回JICA研修員の学校訪問 萩光塩学院中学校・高等学校

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs

2024.09.20

作っていただいた横断幕をもって

山口大学のJICA留学生、初めての学校訪問へ

 2024年9月20日(金)、山口大学に在籍するJICA留学生10名が、初めての学校訪問に出発しました。10名の出身国は、ネパール、バングラデシュ、ラオスの3か国。この日訪問する学校は、萩光塩学院中学校・高等学校で山口大学からバスで約1時間15分かかります。留学生たちは約束の集合時間5分前にはバス停に集合し、バスが出発すると持参したお菓子を配って、ちょっとしたバスの旅を楽しんでいました。全員が初めての学校訪問だったそうで、みんなのワクワクが伝わってきました。

お国紹介

 学校に到着後、体育館で歓迎会が行われました。全校生徒213名を前に壇上で自己紹介をする留学生。バス内のリラックスムードとは一変し、とても緊張している様子でした。ですが、ここでみんなの雰囲気を和らげてくれたのが、ラオス出身のペットさんです。お国紹介のトップを飾ったペットさんは、明るく大きな声で、時には生徒たちに返事を求めながら、またクイズを入れながら会場を盛り上げてお国を紹介してくれました。また、クイズの正解者にはラオスのお土産をプレゼントするなど、生徒たちの心をぐっと掴んだ様子でした。この時ブレスレットをもらった男子生徒は、午後の交流でもしっかり手首に付けて参加、嬉しそうに見せてくれました。ラオスの後は、ネパール、バングラデシュとお国紹介が続き、最初は控えめにしていた生徒も徐々にリラックスし、後半には質問がいくつもあがりました。
 最後には全員で集合写真を撮影しましたが、このために萩光塩学院中学校・高等学校は横断幕を作成してくださっていて、留学生たちも嬉しそうに横断幕を持って写真に納まりました。

日本料理体験で「すっぱい!」

 お国紹介が終わると、高校3年生と一緒に日本料理体験です。お味噌汁とおにぎりを作りました。おにぎりを三角に結ぶのはなかなか難しいもの。教えてくれる生徒の手の形を真似て、留学生たちは真剣におにぎりを作っていました。今回のおにぎり作りで作ったのは塩むすびでしたが、学校で梅干しも準備してくださっていたので、梅干しに挑戦する留学生もいました。生徒が梅干しの説明を英語でしてくれたのですが、「少しずつ食べたほうがいいよ。」と言われたそばから、パクっと丸ごと口に入れたのはネパール出身のバスネットさん。大丈夫かなと生徒たちも心配そう。「ネパールにも同じような食べ物があるから大丈夫、大丈夫。」と言いながら、かなりすっぱそうな顔をしていました。

お国のスポーツや遊びを紹介

 昼食後はグループに分かれて、お国のスポーツや遊びを紹介しました。スポーツは東南アジアで人気のカバディです。カバディ用のウエアに着替えた留学生たちはやる気満々。先頭に立ってルール説明をしていたバングラデシュのバッピさんも生徒たちも汗だくでプレイしていました。留学生たちとプレイすることで、生徒たちにも本場の熱いカバディが伝わったに違いありません。
 お国の遊びとしては、ネパールの“Chungi”(輪ゴムを束ねたものを蹴鞠のように足で蹴る遊び)や、ラオスの“Lam Vong Yard Tung”(踊りながらの椅子取りゲーム)、バングラデシュの“Morog lorai”(ケンケン相撲)をみんなで体験。生徒たちからは日本の遊び、“だるまさんが転んだ”や“福笑い”を紹介頂き、初めてだるまさんが転んだに挑戦した留学生たちは、何とかオニに見つからないように前へ進もうと必死です。その姿は、目がキラキラ輝いて子供に戻ったようでした。毎日大学で学業に励む彼らにとって、リフレッシュできるとても良い時間だったようです。

中・高校生の1日を堪能

 次に体験したのは、お掃除です。自分たちの学校は自分たちでキレイに掃除する日本の習慣を、留学生たちも体験させていただきました。生徒たちに教えてもらいながら机を移動させ、床を掃いていきます。窓ふきを担当したラオスのニルッドさんは、自ら椅子を持ってきて窓の上の方までキレイに拭いて、みんなを感心させていました。
 掃除が終わると楽しみにしていた部活動体験です。学校から希望のクラブを選べるようご配慮いただき、テニス、ダンス、バレーボール、卓球、書道に分かれて1日体験入部です。卓球部を選んだバングラデシュの3人は、歳は上ですが、この日ばかりは部長さんの号令に従って最初の柔軟体操やステップ練習からしっかり体験していました。バレー部を選んだネパール、バングラデシュ、ラオスの3名は、試合形式でバレーを楽しんでいました。唯一の女性留学生のラオスのペットさんはダンス部を選択。一緒に踊った曲を動画で撮影し「家でも踊るね!」と大満足。時間いっぱいまで「もう1回!」と踊っていました。書道部ではネパールのバスネットさんが、部屋いっぱいに敷いた紙に、大きく「花」と書いていました。教室には墨のいい香りが充満していて、なかなかできない体験をさせていただき大喜びでした。
 この日参加した留学生の中には、数日後には帰国の途につく留学生もいます。バングラデシュのバッピさんは「国では教育省で働いているから、帰国前に学校訪問に参加できて良かった。いい経験ができたよ。」と嬉しそうに話していました。萩光塩学院中学校・高等学校の皆さん、掃除や部活動まで、日本の中・高校生の1日を丸ごと体験させていただきありがとうございました。

昼食後も生徒たちとの会話に夢中。ラオスのキコさんとバングラデシュのハッサンさん

カバディ体験

書道を体験するネパールのバスネットさん

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