【教師海外研修 授業実践】府中町立府中緑ヶ丘中学校

2024.10.11
授業の様子
広島県の府中町立府中緑ヶ丘中学校に勤務されている古瀬由紀子先生は、今夏にJICA中国・四国が開催した教師海外研修へ参加。夏休み中に約10日間ラオスに滞在し、JICAが実施しているプロジェクトやJICA海外協力隊の活動見学、ラオスの生活を体験してきました。
2024年10月8日(月)、中学2年生を対象に、国内外の研修で学んだことを活かして道徳の授業を実践されました。
まずは、SDGsについて。
今ではいろいろなところで見るようになったSDGsを改めてどんなゴールがあるのか確認しました。
SDGsは世界共通であり、17のゴールがあります。
それを踏まえ、古瀬先生が実際に見てきたラオスを紹介。
国旗を見ただけではどの国に行ってきたのか当てられる生徒はおらず、地図を見てラオスがどこにあるのか、ピンと来ている生徒は少数でした。
しかし、街の様子や食事、服装などの写真を見る生徒の目はキラキラ!
「おしゃれ!」、「ごはんは思ったより味が薄そう!」「虫を食べるのはビックリ!」など見たことない写真に興味津々!周りの同級生たちと感想を言い合いながら楽しんでいる様子が伺えました。
さて、そんな中でお土産として買ってきた栓抜きを紹介。
みなさんはこれが何でできているかわかりますか?
栓抜きをまわして実際に触って考えてみましたが、なかなか答えがでません…。この栓抜きは元々ある物を加工して作られたものですが、アルミニウムでできていることはわかっても何を加工したものなのかはわかる人はいませんでした。
そこで、実際に売っていたナイトマーケットの写真を紹介。
書いてある全ての英語がわからなくても、「Bomb」と書いてある言葉をみつけ、「爆弾…」と言葉を失っている生徒もいました。
ラオスが世界で一番爆撃を受けた国であること、戦争は終わっても不発弾の影響で未だ危険が潜んでいること、不発弾を処理する仕事があるということ。ラオスの町の写真を見ている時はワイワイという雰囲気でしたが、不発弾の話を聞き始めてからクラスは静まり返り、古瀬先生の説明に目が離せないようでした。
ラオスで買ってきた栓抜き
ナイトマーケットにあった看板
ラオスでは「不発弾のない暮らし」を独自にSDGs 18番目のゴールとして設定しています。
また、日本の民間企業でも独自に18番目のゴールを作って企業活動に取り組んでいる企業もあります。
「じゃあ、みんなの18番目のゴールなんだろう?」
これまでのラオスの話を聞いて、それぞれが何を大切にしたいか、どんな生き方をしたいか、そんなことを考えながら18番目のゴールを真剣に考えていました。
授業の時間内で「これだ!」という18番目のゴールを決めるのは難しかったかもしれませんが、ラオスを通して世界のこと、日本のことを知り、自分への問いかけをして授業は終わりました。
授業の感想の中には、「戦争が終わってもまだ被害が続いていることを知らなかった。世界には知らないことがたくさんあることが分かったので、もっと知っていかなければと思った」「先生のように海外へ行って、学んでみたいと思った」など、今回の授業を通してそれぞれに新しい気付きがあった様子が伺えました。
(報告:広島県JICAデスク 新庄 芳菜恵)
ラオスのSDGs 18番目のゴール
生徒が考えた18番目のゴール
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