【広島県】 第5回JICA研修員の学校訪問 尾道高等学校
2024.11.22
楽しい1日をありがとうございました!
11月13日(水)、青空の下、キラキラ光る瀬戸内海を見ながら尾道大橋を渡る車には6名のJICA研修員が乗っていました。この日、広島県尾道市向島町にある尾道高等学校を訪問するのは、カンボジア、ガーナ、ネパール、バングラデシュ、モーリシャス出身の6名です。中には素敵な民族衣装姿の研修員もいます。東広島を出発して約1時間、車窓からの景色やおしゃべりを楽しみながら、あっと言う間に学校に到着しました。
学校到着後、研修員は2クラスに分かれてお国紹介を行いました。この日交流したのは高校2年生39名です。使用したパワーポイント資料には、生徒たちが分かりやすいようにと多くの写真が使われ、自動翻訳機能を使ったのでしょうか、バングラデシュのモハマッドさんの資料には、初めから日本語訳がついていました。また、モーリシャスのプリーティさんは、木製の置物を持参して絶滅したモーリシャスのドードーを紹介したり、「モーリシャスのことを覚えていられるように、1枚ずつ取って!」とモーリシャスの国旗シールを配布していました。生徒たちを思う研修員の優しさを垣間見ることができました。
そんな研修員の気持ちが通じたのか、生徒たちも一生懸命お国紹介を聞いていました。「うん、うん」とうなずいたり、親指を立てて「OK」と合図をしたり、「Yes!」と元気に答える生徒もいて、研修員もとても嬉しそうでした。
お国紹介が終わると、6グループに分かれて尾道散策に向けたミーティングです。研修員1名に6~7名の生徒のグループです。お昼ご飯も散策中にみんなで食べるため、食べられない物があるかどうかも生徒たちから研修員へ確認がありました。「宗教上食べられない物があるけどだいじょうぶかな」と心配していた研修員も、生徒たちに確認してもらって安心した様子です。そしてこれは生徒たちにとっても、宗教的な理由で食べられない物があることを知る良い機会になったようです。食事制限の他にも、尾道のおすすめスポットや美味しい食べ物のお店など、写真や動画を使って研修員に紹介してくれました。生徒たちには、「尾道アンバサダーとして、研修員の皆さんに尾道を好きになってもらおう!」というミッションがあったようです。そのミッションを達成するべく、グループごとに散策へと出かけていきました。
まず皆が向かった先は、学校からすぐ近くにある渡船乗り場です。船に乗ると、わずか4~5分で対岸の尾道駅前に到着します。「こんな渡船に乗るのは初めて!」とネパールのラジェシュさん。「僕の国には海がないから」と渡船からの風景を動画で撮影していました。
尾道に到着すると、まずは腹ごしらえです。尾道ラーメンを食べたグループが圧倒的に多かったようですが、天ぷらを食べた研修員もいました。6人の中で唯一お弁当を持ってきていたバングラデシュのライハンさんも「生徒たちと寿司を食べたんだ。お弁当は夕飯に食べるよ」と嬉しそうに語っていました。
カンボジアのリナさんは女子6人のグループでした。背格好もロングヘアーも生徒たちと同じこともあり、まるで女子高生が7人?と思うほど溶け込んでいました。逆に男子生徒6人のグループに入ったガーナのエスターさん。商店街にある刀や兜のお店に立ち寄り、生徒たちから説明を受けていました。「高校生と交流することで日本の高校生活がどんな感じなのかが分かった。高校生から学ぶことが多かった」と言っていました。最後のグループ写真では、隣の生徒の肩に手を回しすっかり打ち解けた様子でした。
千光寺公園まで歩いて上ったグループやロープウェイを利用したグループ、美味しいスイーツを食べたグループなど様々でしたが、少人数で過ごしたこの3時間は、研修員と生徒双方にとって貴重な時間となったに違いありません。今回の尾道散策で、生徒たち全員が尾道アンバサダーとしてのミッションを達成したのではないでしょうか。
最後に、研修員のお国での職業と現在の大学での専攻について教えてもらいました。研修員が母国のために日本に学びに来ていること、生徒の皆さんにも理解してもらえたことと思います。
貴重な交流機会をくださった尾道高等学校の皆さん、ありがとうございました。
尾道ラーメン初体験
生徒たちと刀を鑑賞中
モーリシャスのお国紹介。
教卓の上にあるのは、持参したドードーの置物
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