【広島県】 第4回学校訪問 広島県立安古市高等学校
2024.11.29
安古市高校生徒会の国際交流委員メンバーと研修員9名との集合写真
2024年11月11日(月)、今年度4回目となる学校訪問では、ケニア、ザンビア、シリア、スリランカ、ネパール、ラオス、ルワンダ7か国からのJICA研修員9名が、広島市安佐南区にある広島県立安古市高等学校(以下、安古市高校)を訪れました。
研修員が応接室に案内されると、ちょうどチャイムが鳴って休憩時間に。高校生に交じって、休憩時間だけ開店するという売店でお買い物をする研修員が続出。「ここでノートなどが買えるのね。便利!」「これはいくら?」研修員にはパンやドーナツが人気でした。おかずの乗った丼を買った人もいます。日本の高校生の生活体験が早速できて嬉しそうでした。
急遽行われた売店視察が終ると、英語科の先生が改めて学校を案内してくださいました。安古市高校は各学年8クラス。「大きな学校だね!」と感心したのはシリアのマシャールさんです。廊下に貼られている写真を見て「オーストラリアの高校と交流があるんだね。」と気付いた研修員はルワンダのテオさん。姉妹校の高校生と交流している様子に感心していました。職員室そばの制服の見本では、「冬もスカートなの?」と心配するのは、朝からコートを脱ぐことができずにいる、ケニアのフェイスさんです。「寒い時は、スカートを長くするのですか?」との質問に「長さは決められています。冬はストッキングをはいてもいいことになっています。ズボンをはく女子生徒もいますよ。」との説明に少し安心したようでした。
図書室でも、「英語の本はありますか?」といった質問が飛び交いました。一番人気だという「キングダム」のコミックと一緒に写真を撮る人もいて、初めて入った学校の図書室の雰囲気を気に入ったようでした。「図書室のこの空気が好きなんだ。」と目を閉じて浸る、本が大好きな研修員もいました。
学校を案内してもらった後、4・5時間目の授業に研修員も参加します。9名の研修員は2グループに分かれ、それぞれ発展コミュニケーションと家庭科の授業に参加しました。発展コミュニケーション授業は、英語を使って様々なことを学ぶ活動が行われます。今日は、研修員から出身国のことを学ぶ活動です。最初に研修員から各国のあいさつ紹介です。ラオスのフィンさんが、胸の前で手を合わせて「サバイディー」と挨拶すると、みんなも一緒におそるおそる「サバイディー」。「Yes, サバイディー!」声が揃いました。全ての研修員がそれぞれの挨拶を紹介した後は3~4人の高校生と研修員が輪になって座り、小グループでの交流の始まりです。高校生はタブレットを使って、自分の部活や趣味などを発表していました。高校生の発表の後は、研修員の番。用意してきたスライドを見せながら、お国の紹介をしました。スリランカのチャリタさんは、鮮やかなピンクのサリーを着ていて、一緒のグループになった女子生徒から大好評でした。「国の花はブルーリリーです。」日本と同じ、島国スリランカの多彩な動植物の固有種を紹介していました。シリアのサムさんは、仲よくなった男子生徒それぞれから名前を聞いて、アラビア文字を名札に書いてあげていました。さらにシリアの国旗のステッカーを名札に貼ってあげ、生徒たちに喜ばれていました。サムさんも、わざわざ家から持ってきた甲斐があったと大満足です。
一方、家庭科の授業に参加したグループは、お昼ご飯として、焼きおにぎりとコロッケを作りました。研修員の中に、宗教上の理由で食べられないものがあることを知った先生が考えてくださったスペシャルメニューです。「僕もクッキングに参加するのかな?」学校に来る前から直前まで心配していたのはザンビアのパトリックさん。「ちゃんと教えます。大丈夫、心配しないで。」とグループの生徒に言ってもらって、コロッケを丸めるのに初挑戦しました。身長2mを超えるパトリックさんですが、大きな手でなんとかコロッケの具を成形しました。最後は、先生に揚げてもらって完成!焼きおにぎりと一緒に、おいしくいただきました。
お昼の休憩時間には、生徒会国際交流委員の企画によるジャンケン大会が行われました。生徒会国際交流委員によって大きなスピーカーが用意されると、階段の踊り場や各階から生徒たちが出てきます。そして中庭にいる研修員に向かって手を振る生徒もいます。国際交流委員から、上位入賞者に賞品があることが告げられると、どよめきが起こりました。朝、先生からジャンケンのやり方を習ったばかりの研修員もいて、「待って、もう一回教えて。これがRock(グー)?Scissors(チョキ)?」最後のおさらいです。多くの生徒に見守られながら、各クラスの代表と研修員によるジャンケン大会が始まりました。「Rock, Paper, Scissors, Go!」1回戦、2回戦と行われ、ネパールのスマントさんが見事、3位に入りました!
5時間目の発展コミュニケーションと家庭科を終えた研修員たちは、最後に国際交流委員が行う交流会に出席しました。交流会は研修員と高校生混合の6チームに分かれ、色々なゲームを通して交流を深めるものでした。
準備されたゲームの一つであるジェスチャーゲームは、チームのメンバー全員が、お題をジェスチャーで表現するというもの。各メンバーの役割を決め、それを練習する時間が数分間与えられました。パトリックさんのチームの番になり、みんなが輪になって盆踊りを始めました。夏祭りのようです。そして、なぜかその脇ではパトリックさんが審査をする仕草。みんなの動きを指さしチェックし、一人の手を上げさせて親指を立てました。勝者と言いたいようです。若干、戸惑う部分もありましたが、盆踊りの動きだと分かった生徒たちのひらめきで、見事、答え「お祭り」を当てたチームがいくつかありました。では、パトリックさんの審査員の動きは何だったのか?ということが話題になりました。パトリックさんの出身国ザンビアではお祭りのダンスでコンテストが行われるとのこと。それを知り、みんな、なるほどと納得しました。「それなら僕たちの答えも正解だ!」と言うサムさんのチームの答え「アフリカのダンスのコンテスト」が認められ、結果、サムさんのチームが総合優勝を勝ち取りました。
安古市高校のみなさん、学校を挙げて多彩で実りある交流計画を立ててくださり、本当にありがとうございました。
お国紹介するフィンさん(ラオス)
おいしい昼食が完成!ムカミさん(ケニア)のグループ
お国紹介の最後、ケニアの歌を紹介するフェイスさん
ジャンケン大会のテオさん(ルワンダ)・中央左。民族衣装が映えます。
交流会のジェスチャーゲーム。チームで「空港」を表現するチャリタさん(スリランカ)
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