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【広島県:授業実践紹介】社会科「自動車をつくる工業」で考える日本と世界のつながり

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2024.12.02

福山市立山手小学校 石橋佳奈先生

広島県福山市立山手小学校の石橋佳奈先生は、今年度JICA地球ひろばが主催する「国際理解教育/開発教育指導者研修」に参加されました。その研修での学びを活かし、同校の特別支援学級の5年生を対象にした社会科の時間で、「私たちの生活と工業製品から日本と世界のつながりを知り、考える」授業を展開されました。

広島から日本、そして世界へつながる私たちの生活

「日本の自動車生産台数は世界で第2位です。なぜそんなにたくさん生産できるんだろう?」
広島に拠点を置く自動車工場の写真を見せながら、石橋先生は児童に問いかけました。「漁業の勉強をしたときに、フランスでもかつおぶしを作っていると聞いた。車の部品も外国で作って輸入したりしているのかな」、「海に面しているから外国の工場とつながりやすいんじゃない?」と、これまでの学習内容を思い出しながら考える児童に、石橋先生は教科書と大きな写真を使って、海外で国内企業の自動車生産数が増えていることを解説しました。現地の気候や道路状況に合わせた生産ができるといったメリットだけでなく、現地で生産を行うことで雇用が拡大したり、技術移転が進み、現地の産業発展にも寄与できるといった国際協力の視点があることも分かりやすく説明していきました。

日本の車の生産数は世界で何番目?

工業を通じて世界とのつながりを考えます

外国の友だちとの交流からつながりを感じよう

福山市立山手小学校は、タイのナレスアン大学附属小学校との交流が続き、今年で4年目になるそうです。また、今年10月にはタイのスジプリスクールが福山市立山手小学校を訪問したり、韓国の金海外国語高校と龍南小学校とも今年から新たに交流を開始したそうです。これらの多様な国際交流の経験を活かして、社会科の学びと国際理解教育を関連させて日本と世界のつながりを子どもたちに実感させたい、と考えた石橋先生は、事前にそれぞれの学校へ動画を依頼していました。

授業の後半、モニターには山手小学校と交流があるタイの子どもや先生の動画が映し出されました。彼らは英語で、好きな日本の食べもの、タイで有名な日本の企業などを伝えてくれました。また、韓国の生徒は日本の有名なアニメの主題歌を演奏してくれました。工業や貿易といった国同士のつながりだけでなく、私たちの身近な生活が世界の国々とつながっていることを実感できる時間でした。

石橋先生は国際交流が盛んな同校の恵まれた環境を活かしつつ、6年時につながる学習を意識して、社会科の中で授業を実践されたそうです。数値やグラフも頻出する工業や輸出入といった単元は、大人でも理解が難しい点もありますが、「社会科が一番好き」という児童の多い石橋先生の学級では、とても楽しく活発な授業が展開されていました。身近なところから世界とのつながりを知り、考え、楽しめる彼らは将来、国境や言葉の壁を軽やかに乗り越えられる地球市民として活躍してくれることでしょう。

タイの小学生が知っている「日本」は?

交流する学校からの記念品

関連ファイル

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