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【広島県】第5回JICA研修員の大学訪問 広島文教大学

2024.12.18

岩下ゼミの学生や着付けをしてくださった方との集合写真。キリバスの民族衣装のヘッドピースや、かわいい花飾りを借りた学生もいます。

広島文教大学へ

 2024年11月27日(水)、今年度最後、5回目となるJICA研修員の大学訪問では、バングラデシュ、カンボジア、キリバス、モーリシャス、ルワンダ、5か国出身のJICA研修員7名が広島市安佐北区にある広島文教大学を訪れました。
 研修員たちを乗せたマイクロバスが、太田川の美しい景色を横目に北上していると、同じ方向に歩いていく学生の姿が見えました。「文教大学の学生かな?」と話す研修員たち。今日の交流が楽しみなようです。ほどなく、バスが大学に到着。岩下先生とゼミの学生数名が出迎えてくだいました。教室では、数名のグループごとに分かれた席が用意されていて、学生と研修員が一緒に着席しました。岩下先生の異文化理解ゼミナールの開始です。

お国紹介

 最初は、研修員たちが自己紹介と合わせて、お国紹介を行いました。バングラデシュのアニメシュさんがバングラデシュの料理やお祭りなどを紹介。続いて同じくバングラデシュのナヒダさんが、登壇しました。今回の訪問にあたって、特別に華やかなサリーを着てくれています。「もうアニメシュさんが話してくれたから。」とお国紹介を短く済ませて自己紹介に入り、バングラデシュの集中治療室での看護のほか、看護師の教育などにも携わってきたことを話してくれました。広島大学の大学病院で白の防護服に身を包んだ写真を見せてくれ、日本での学業に熱心に取り組む様子がうかがえます。
 続いて話したのは、カンボジアのセットさん。高校の英語の先生を経て、プノンペンの大学で先生を養成する学校から日本に来て、今は広島大学で教育に関する研究をしています。さすが、先生の先生!用意してくれたスライド全部が、カラフルで楽しい教科書のようです。カンボジアの旗の由来や観光のおすすめスポットなどを、学生に分かりやすく説明してくれました。
 モーリシャス出身のプリーティーさんも、高校で生物の先生をされた後、若者を支援する官公庁にお勤めで、現在は、セットさんと同じく広島大学で研究に携わっています。モーリシャス一番のご自慢は、なんといっても青い海と砂浜。生き物のおすすめはドードーです。名前は知っているけど?という日本人学生も、その特徴的な表情の大きな鳥の写真を見てすぐに分かりました!日本に来て驚いたことは、駅で人々が列を作って電車を待っていること。外で小学生が整列して歩いているのも素晴らしい!と自身の感動を伝えてくれました。
 全研修員が、用意してきたお国と自己紹介を終えると、学生たちの番です。原爆ドームやマツダの自動車のほか、熊野筆、宮島細工、福山琴、三次人形など、広島が誇る伝統工芸などについて詳しく紹介してくれました。

浴衣体験

 お昼休憩の後は、浴衣の着付け体験です。この時間のために、着物のすばらしさを海外の人にぜひ紹介したいと、広島市内で着付けの講師をしておられる佐藤先生が、2019年に広島文教大学を卒業した桑原奈央さんと一緒に駆けつけてくださいました。研修員一人ひとりに着付けをしていきます。浴衣を着るには肌寒い時期なので、服の上からの着付けとなりますが、「着物はね、少しぐらいなら調整して着られるのよ。ほら、ね!」と次から次に着付けていき、あっと言う間に7人全員の浴衣姿が完成しました。カンボジアのセットさんとムオイさんにとっては自国での国際イベントでの試着経験があり、浴衣を着るのは今回3回目ということでしたが、ほとんどの研修員にとっては初めての経験で、研修員たちは喜んで互いに写真を撮り合っていました。
 教室に戻った研修員は、学生と一緒に、着物のデモンストレーションを見ました。学生がモデルとなり、何本もの紐や帯を駆使して、着物姿が完成。「誰かやってみる?」との呼びかけに、ナヒダさんが立候補しました。太い帯を結んで形を作って…。もちろん初めての経験でしたが、無事に蝶々の形の帯が出来上がりました。
 その後の時間は、学生との自由なおしゃべりの時間です。スマホの写真を見せあい、「これは?彼氏ではないのね?」など、広島で有名なスイーツ、もみじ饅頭をつまみながら、大学での研究のことやサークル活動のこと、学外のプライベートなことまで、時間一杯まで話していました。
 終了後は、着付けをしてくださった佐藤先生から、女性研修員にはなんと浴衣と帯のセット、男性研修員にも羽織をプレゼントしていただきました。「椿は、わたしの大好きな花なの!」とキリバスのロリーンさん。鮮やかな青と黄色の浴衣が、南国生まれの彼女の雰囲気にとても似合っていました。「これが、私の初めて着物です。」とムオイさんも感激していました。
 広島文教大学での一日は、自国の文化を学生に共有し、日本の着物にふれる貴重な時間になりました。ご協力くださったみなさま、ありがとうございました。

ルワンダのカリクステさんのお国紹介

小グループに分かれて学生と交流。手前右が岩下先生。

浴衣姿の研修員

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