【山口県:実施報告】JICA中国 開発教育スキルアップセミナーin山口県



2024.12.26
「このセミナーに参加した目的と目標」について、参加者同士で自己紹介をする様子
2024年12月21日(土)、山口県山口市湯田にあるセントコア山口にて、開発教育ファシリテーターの山中信幸氏を講師としてお招きし、JICA中国開発教育スキルアップセミナーを開催しました。
当日は、山口県内在住のJICA海外協力隊経験者をはじめ、JICA教師海外研修に参加された教員の方々、中国地方で開発教育に関わる方など、開発教育に関心のある方総勢20名が集まり、「開発途上国での体験を、教育現場でどう活かすことができるか」をテーマに、ワークショップデザインについて考えました。
まず初めに、教育現場で開発途上国の体験を活かす際に感じている課題、このセミナーを通して知りたいことを交えて自己紹介をしました。教員、行政関係者など、参加者の立場や専門性が異なる中で、1人1人がこのセミナー会場に来た目的・目標の共有を行いました。
自己紹介で場がなごんだ後は、対話による学びを効果的に引き出すための方法について、ワークショップの基本的な構造と、参加者が自由にアイデアを出し、考え方を深めるためのファシリテーターの「良い問い」「悪い問い」の条件について、講師の山中先生から事例紹介と、教材として使用する写真を撮影する際の留意点について説明がありました。
そして、参加者1人1人が会場に持参した「子どもたちに最も紹介したい、開発途上国で撮影した写真」をグループ内で紹介し、なぜその写真を選んだのかを発表していきました。それらの写真から1-2枚を選び、写真からどんなことが学べるか、グループ毎にたくさんの「問い」を立てていきました。その問いを取捨選択し、組み合わせることで1つのワークショッププログラムを組み立てていき、すべてのグループが模造紙にまとめたところで、それぞれのグループが作り上げたワークショッププログラムの背景やねらい、構成の意図や工夫を発表していきました。
グループの発表や講師の話を通じて、参加者は、自分自身が開発途上国に対して抱いている無意識の思い込みが、教材となる写真や自分自身の言葉選びに反映されることで、日本の子どもたちにネガティブな感情を誘発する可能性に気づいていきました。そして、伝え方や教材にする写真の撮影方法について、改めて振り返る時間となりました。また、一人一人が抱える自身の体験談を伝える際の課題を共有し、ワークショップのプログラムを一緒につくりあげることで、県内在住の開発教育に関心を持つ関係者間で深い意見交換がなされ、ネットワーク構築の場にもなりました。今回ご参加下さった方一人一人が、これからも地域での開発教育の担い手として山口県を盛り上げていって下さることを期待しています。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
(報告:山口県JICAデスク 水野 美加)
ワークショップをデザインするとは何か、講師より説明を受ける参加者の皆さん
グループワークを行うJICA海外協力隊経験者と教師海外研修に参加した教員
グループ発表では、授業で扱う場合の課題やヒントなども話題に挙がりました。
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