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【島根県】2024年度JICA日系社会研修員の研修修了式が行われました

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2025.01.16

JICA、島根県庁、パリティクラブ関係者みんなで最後に記念撮影!

アカミネさんの背景と研修内容

2024年度JICA日系社会研修員の研修修了式が島根県庁にて2024年12月10日(火)に行われました。今年度の研修員であるアカミネ・ファビアナ・リエさん(ブラジル)対して、JICAより修了証書が渡され、また島根県環境生活部部長より遣島使の委嘱状が交付されました。

アカミネさんは日系三世で、母方の祖父が島根県飯石郡飯南町出身というルーツを持っています。ブラジルではオフィス関連用品販売会社で社内システムの開発やメンテナンスに携わっており、今回の研修を通じてさらなるスキルアップや日本文化に触れることを目指しました。

約半年間にわたる研修では、松江市のデザイン会社「有限会社パリティクラブ」で、ウェブデザイン、マーケティング、SNS活用など幅広い分野を学びました。特に、アバターキャラクター「さくらもち」を紹介するウェブサイト(ランディングページ)制作においては、デザインの構築、ターゲット設定、ユーザー目線での表現方法を実践的に学び、ブラジルではなじみの薄いアバター文化や、ウェブサイトをゼロから立ち上げる際のスタイリング等についても知見を広げました。

また、同社で採用されている「昼礼」やアイデア共有ミーティングを通じて日本特有の職場文化に触れ、この経験についてアカミネさんは「ブラジルでは体験できない日本ならではの感謝を伝える文化や、チームでの協力の大切さを学べました。この研修で得た学びを日系社会の発展に活かしていきたいです」と述べました。

遣島使の役割

研修修了式では、島根県環境生活部部長より遣島使(Shimane Goodwill Ambassador)委嘱状がアカミネさんに手渡されました。
遣島使とは、帰国後に島根の魅力をPRし、島根との架け橋になっていただく方を知事が任命する制度です。アカミネさんには、帰国後に島根県の魅力をブラジルでPRするなど、島根県とブラジルの架け橋となることが期待されています。

受け入れ先企業からのコメント

研修の受け入れ先である有限会社パリティクラブの瀧尻 雄也代表取締役CEOは、この研修について次のようにコメントしました。

「アカミネさんには、日本の組織文化や価値観を数か月にわたり深く学んでいただけたと思います。一方で、私たち受け入れ側にとっても、異なる文化の背景を持つ方との意思疎通を考える素晴らしい機会となりました。説明をより分かりやすく工夫するためにひらがなや分かりやすい表現を増やしたり、相手を思いやる新しいアプローチを考えるきっかけになりました。この経験は他者に寄り添う姿勢を改めて学ぶことができた貴重なものとなったと感じています」。

研修の意義と今後の展望

この研修は、アカミネさん個人の成長だけでなくJICAが推進する地域間交流の一環として、異文化理解と多文化共生の重要性を深める場となりました。

帰国後、アカミネさんは今回の経験を活かし、ブラジルの日系社会でワークショップやプレゼンテーションを行い、ウェブデザインや日本の職場文化について発信をしたいと述べ、また、所属する在伯島根県人会のウェブサイトを活用し、次世代の研修員に役立つ情報を発信する活動にも取り組みたいと語りました。

JICAは今後もこのような研修を通じて、地域間のつながりを深め、互いに学び合い成長できる機会を提供していきます。今回の研修をきっかけに、ブラジルと島根県との交流がさらに発展することを期待しています。

(記:島根県JICAデスク 小波津 チアゴ 明)

発表の様子。

JICAによる研修修了証書の授与。

島根県環境生活部、美濃部長より遣島使委嘱状、併せてしまねっこのぬいぐるみが手渡されました。

関連ファイル

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