【広島県】 第6回学校訪問 呉市立呉高等学校
2025.01.30
初めての和室でリラックス
2025年1月14日(火)、寒空の下、呉市阿賀中央にある呉高等学校に向かったのは4名のJICA研修員です。エジプト、モザンビーク、ウガンダ、ザンビアから、JICAの短期研修「道路維持管理」に参加するために日本にやってきました。来日してまだ1週間の彼らに、今日はどんな交流が待っているのか。楽しみにワクワクしながら学校へ向かいました。
学校到着後、通された校長室で待っていると、生徒会の生徒たちが迎えに来てくれました。そこで一人ずつ自己紹介をし合ったのですが、なんだか聞きなれない言葉が聞こえてきます。なんと、エジプトとモザンビークの研修員のために、アラビア語とポルトガル語で自己紹介をしてくれたのでした。これには研修員たちもとても嬉しそう。モザンビークのエリザさんは「日本に来て初めてポルトガル語を聞いたわ!」と感動していました。母国語が嬉しいのはもちろんですが、母国語で話そうとしてくれた生徒たちの温かい気持ちにも感動したようです。研修員たちは生徒たちに案内されて体育館へと移動しました。
体育館では262名の生徒に向けてお国紹介です。さすがにみんな緊張気味です。お国紹介の時間は1人7分。英語の先生とALT(外国語指導助手)の先生が研修員の発表を日本語に訳してくれたのですが、ここでも嬉しい驚きがありました。なんと英語の先生もポルトガル語が堪能とのこと。急遽エリザさんはポルトガル語でプレゼンテーションを行い、それを先生が訳してくださったのです。プレゼンテーションから戻ってくるエリザさんはもちろんニコニコでした。
ウガンダのティモシーさんは携帯電話のストップウォッチ機能を使って時間を見ながら国紹介をしていたようで、ジャスト7分で終了。こちらもニコニコ顔で戻ってきました。ティモシーさんはウガンダのマウンテンゴリラについて紹介していましたが、ちょうど前日、日本のテレビでウガンダのマウンテンゴリラについて取り上げられていたと、ティモシーさんが見学に行ったクラスの先生が教えてくれました。
研修員のお国紹介の間、生徒たちは全員、筆記用具を手にメモを取っていました。新たに知ったことをメモしていたのか、心に響いたことをメモしていたのか分かりませんが、退屈そうにしている生徒は1人も見当たりません。紹介する研修員たちも嬉しくて、お国紹介に力が入ったに違いありません。
お国紹介が終わると、研修員は1人ずつ生徒たちに案内されて掃除とショートホームルームを見学しました。見学の合間にも、案内役の生徒たちとおしゃべりを楽しんでいたのは、ザンビアのガストンさんです。「生徒たちとの話を通して、お互いの文化を知り合えたことがとても良かった」と感想を述べていました。
最後に茶道部にお邪魔して、茶道を体験させていただきました。茶道は全員初めての体験です。広い立派な和室に通された4人は、まずはお菓子をいただきました。美しい和菓子をひとくち口に入れた途端、「これ美味しい!これ好きです!」と叫んだのはエジプトのマムドゥさん。飛び切りの笑顔です。続いてお抹茶をいただきます。教えてくれる生徒の指導の下、お茶碗を上げたり下げたり回したり。お抹茶が苦かったのでしょう。「甘いお菓子を先に食べる理由が分かったよ」という感想も聞こえてきました。
茶道部では、お茶を点てる体験もさせていただきました。見よう見まねで点てたにもかかわらず、とても上手に点てたのは、ザンビアのガストンさんです。美味しそうな泡のたったお抹茶を点てて、茶道部の生徒さんをびっくりさせていました。ガストンさんがお茶を点てるのはもちろん初体験でした。
茶道体験が終わると、そろそろお別れの時間が近づいてきました。研修員たちは生徒の皆さんからお土産までいただきビックリ。でもとっても嬉しそうでした。ザンビアのガストンさんは「茶道を体験して、お茶を振る舞ってくれた人たちの慎み深い所作にとても感動した」と感想を述べてくれました。また、モザンビークのエリザさんは、「地域の生徒たちと交流できたことが私にとってとても良い経験となった」と教えてくれました。
ジャンボタクシーに乗って学校を出る時も、ブラスバンドが生演奏で送ってくれ、生徒たちが並んで手を振ってくれました。呉高等学校の皆さん、最後の最後まで温かいおもてなしをして下さり、本当にありがとうございました。
マウンテンゴリラの紹介をするティモシーさん
校内案内の合間に生徒たちと談笑するガストンさん
上手にお茶碗を回して飲めたかな?
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