【鳥取県】聴いて、観て、踊って学ぼう!アフリカの音楽とダンスイベント開催!


2025.03.05
太鼓演奏者のみなさんが場を盛り上げてくれました!
2025年は第9回アフリカ開発会議(TICAD9)開催の年です。アフリカの開発について議論するため、日本政府が主導となり、アフリカの開発に携わる国際機関やアフリカ各国の首脳級をはじめとする要人や関係者が横浜に集結することになっています(開催期間:8月20日~22日)。多くの課題を抱えるアフリカは、同時に、多様で魅力的な文化を有していますが、日本ではアフリカの魅力を感じることができる機会はそれほど多くありません。そこで、2025年2月23日(日)鳥取市国際交流プラザで、アフリカの音楽とダンスについて学ぶためのイベントを開催しました!日本海側に今季最強の寒波のピークがやってくると予想されていた3連休の中日であったため、「参加してくださる方はいるのだろうか」「そもそも演奏者のみなさんは会場にたどり着けるのだろうか」と運営側は不安に思っていましたが、奇跡的に当日は朝から晴れ、最終的に60名を超える方々が参加してくださいました。本当に感謝です!
本イベントの大きな目的はアフリカ各国の音楽やダンスを通して、楽しみながらアフリカの多様性について知ってもらうことでした。そのため、2部構成の第1部では鳥取市在住のガーナ、ナイジェリア、ケニア出身の方々に、各国の音楽に関するプレゼンテーションをおこなっていただき、第2部では、ギニア出身のアラマ・ジュバテさんを中心としたパフォーマンスグループに太鼓演奏とダンスを披露していただきました。
はじめにアフリカ各国の音楽文化を紹介してくださったのは、JICA留学生として鳥取大学に在籍中のガーナ出身のフランシスさんとケニア出身のキマニさん、そして県内で働くナイジェリア出身のダヤブさんの3名です。
それぞれの出身国の音楽紹介と言っても、ガーナには70以上、ケニアには40以上、そしてアフリカで最も人口の多いナイジェリアには370以上の民族が存在していると言われており、それぞれの民族に異なる音楽文化を解説していただくわけにはいきません。そこで、みなさんには、国全体及び国を越えて世界で有名になった音楽や、代表的な伝統音楽、自身が属する民族のダンスを紹介していただきました。主に、ガーナの有名なフェスティバルの中の儀式で見られるダンス、ケニアのキマニさんが属するケニア最大のキクユ民族の伝統ダンス、アフリカ大陸全体に広がるナイジェリアの音楽などについて教えていただきました。また、ケニア出身のキマニさんの奥様はルワンダ出身ということで、ルワンダのダンス動画も少しだけ紹介され、会場からは、「ケニアと全然違う」という声が聞こえてきました。
どの国にも共通しているのは、西欧の影響を受けた音楽がアフリカ各国で拡大しているという点です。ケニア出身のキマニさんによると、それぞれの民族の伝統的な音楽やダンスを守っていくために、学校でしっかりと先生がダンスを教えているそうです。どの国も伝統文化を守っていくための工夫が求められているのは同じなのかもしれません。
3名の登壇者には、運営側で通訳をするので、全て英語で話してもらって構わないと伝えていましたが、3名とも、日本語で話せるところは日本語で話してくださったため、会場のみなさんはとても嬉しそうな表情で一つ一つの話にうなずいたり驚いたりしていたのがとても印象的でした。参加者が想像する以上に3名の登壇者は日本語を話せていたため、彼らの努力がみなさんにしっかりと伝わったと思います。
第二部は、JICA海外協力隊経験者(OV)のジュバテ麻子さんとギニア出身のアラマ・ジュバテさんご家族、そして岡山を中心にアフリカ音楽の演奏とダンス活動をしている奥平夫妻による太鼓演奏から始まり、会場の目を引き付けました。太鼓演奏の間には、ジュバテさんが協力隊時代によくジンバブエで歌っていたというしっとりとした歌が入っており、会場のみなさんはその声に静かに耳を傾けていましたが、その後、独特で軽快なリズムの太鼓演奏が進むにつれて、自然と手拍子が加わり、笑顔が広がっていきました。奥平里紗さんによるダンスの披露後は、簡単な動きも教えていただき、気が付けば多くの参加者があっという間に観る側から踊る側へと回り、一体感が生まれていきました。
イベントの終了時間が2時半だったため、パフォーマーの皆さんはその時間に合わせてパフォーマンスを締めくくったものの、会場からにはアンコールの声が響き、再び演奏が始まりました。ダンス好きの方々が集まっていたのか、なんと奥平さんに教えてもらったダンスを交えて自由なダンスをソロで披露し始める猛者が5名ほど現れ、会場はますます熱気に包まれました。特に、キマニさんと同じケニア出身留学生によるダンスは、さすがとしか言いようがなく、独特の動きで観客を驚かせ、会場が大いに盛り上がりました。イベント終了後もそれぞれが楽しそうに交流する姿が見られ、最初から最後まで、とても楽しい一日となりました。
冒頭で触れたとおり、今回のイベントの大きな目的のひとつは、アフリカの多様性を理解してもらうことでした。プレゼンテーションに協力してくれたガーナ、ナイジェリア、ケニア出身の3名の方々は、この点に強く賛同してくれたため、快く協力を引き受けてくれたのだと思います。彼らによると、日本で暮らしていると、「アフリカではこれはどうなの?」といった質問をされることがよくあり、「いつもどの国のどの地域について答えればいいのか困ってしまう」のだそうです。「アフリカ」といっても、音楽やダンスだけを見ても多様性に満ちているということを、このイベントを通じて感じ取ってくださった方が少しでも多くいれば嬉しいです。
(記:鳥取県JICAデスク 首藤 あずさ)
3名の登壇者紹介
楽器の説明をするジュバテOV
踊る参加者のみなさん
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