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【広島県:実施報告】広島県海外協力隊を育てる会とJICA海外協力隊帰国隊員交流会を開催

2025.03.25

2025年3月14日、広島県海外協力隊を育てる会とJICA海外協力隊員の交流会(帰国報国会)が開催されました。

広島県海外協力隊を育てる会の会長であり、日頃から広島のラジオや表敬訪問などでJICA事業を応援いただいている上田みどり会長からは、「協力隊は日本の宝。特定の国ではなく、それぞれが助け合いながら平和を作っていくことが大切です。これからも若者の夢を育てていきましょう」と挨拶をいただきました。

今回、帰国隊員として登壇したのは以下の3名です。
・桝田 澪史さん(派遣国:ジンバブエ 職種:柔道)
・吉本 真子さん(派遣国:キルギス 職種:青少年活動)
・沖田 大さん(派遣国:ガーナ 職種:青少年活動)
3名とも、現地での活動をわかりやすく、またユーモアを交えながら報告をしてくださり、多くの参加者が報告をメモする姿が印象的でした。

それぞれの活動を通して大切にしていること

ジンバブエに派遣されていた桝田さんは、ジンバブエ柔道協会に所属し、初心者~経験者への指導や指導者の育成に従事しました。ジンバブエはハイパーインフレーションが起きたことでも有名。そのため、現地通貨も安定しておらず貧困に苦しんでいる人も多くいたようです。柔道は相手を倒すスポーツではなく、自身を守るためのスポーツ。攻撃をするのではなく、自身の守り方を知りつつ、エネルギーの発散になればと思い、「JUDO for Peace」というプロジェクトに取り組み、貧困地域や難民キャンプで柔道体験ができる取り組みも行いました。桝田さんはケガにより途中帰国となりましたが、JICA海外協力隊での縁を元に、現在は広島大学大学院でジンバブエの柔道教育について研究を行っています。

キルギスに派遣されていた吉本さんは、2019年に派遣された後に新型コロナウィルスの蔓延で緊急退避となり、4年間の日本での待機期間を経て、2023年に待ち望んだキルギスへの再派遣が叶いました。村で唯一の公立学校で英語の先生として活動され、生徒の英語学習のモチベーションの傾向を探り、現地の先生が取り組みやすく、且つ生徒全体のモチベーションが上がるような取り組みを行いました。1回目の派遣時は最新の教育法を求められていることに応えようと取り組んでいましたが、再派遣時は「生徒も先生もうれしいと思えること」をモットーに、人対人として誠実に関わることを大切に活動されたようです。その経験は帰国した今も大切にしており、現在勤める中学校の生徒とも対話をすることで楽しく働けていると話していました。

ガーナに派遣されていた沖田さんは、小学校児童の表現を育む方法として動画制作を授業に取り込み、パソコンの使い方を指導しながらICTを活用した授業を実施しました。授業の中で、動画作成にかかるテストの作成が必要になりガーナでのテスト傾向を探ったところ、丸暗記のものが多く、応用問題がでてくると正解率が5割も下がっていたよう。この正解率の低下は基礎計算力が低いことからくるものと気づき、その後沖田さんは算数の授業にも取り組みました。ガーナでは価値観の違いで困惑することもあったようですが、自分にとって幸せとは何かを考えた2年間になったと言います。沖田さんは東広島市の職員を休職してJICA海外協力隊に参加しましたが、帰国後は同職に復職され、東広島市の広報担当として活躍されています。

ジンバブエはビクトリアホールズも有名と話す桝田さん

自然豊かなキルギスで伸び伸びと活動できた吉本さん

算数の授業では100マス計算にも取り組まれた沖田さん

広島県海外協力隊を育てる会

本イベントは、広島県海外協力隊を育てる会主催のため、育てる会の会員の方々にも多く参加いただき、JICAボランティア派遣事業について理解を深めていただきました。
育てる会では、企業や個人の方が会員となっており、JICA海外協力隊隊員による自治体表敬訪問の同行や、派遣中隊員の方には活動で必要な物資での協力、さらに帰国後隊員には就職の相談など後方支援をいただいており、JICAボランティア派遣事業を応援していただいています。

なお、JICA海外協力隊、2025年度の春募集は3月21日(金)~5月9日(金)正午までです。
ぜひホームページをご覧ください!

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