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【広島県:実施報告】「学校のことを話そう!/Let's talk about Japanese school!」を開催しました

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#11 住み続けられるまちづくりを
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2025.03.28

2025年2月15日(土)、東広島芸術文化ホールくららにて、「学校のことを話そう!/Let's talk about Japanese school!」を開催しました。多文化共生の視点から多様な地域づくりを目指して東広島市で活動する市民団体「たぶんかひろばpazuru」と協働で実施したこのイベントには、外国人・日本人含めて50名を超える方が参加してくれました。

国際化が進む東広島市でのコラボ企画

広島県東広島市には多くの外国人が暮らしています。110か国以上の出身国から来日した外国人市民の割合は5%を超え、広島県で最も外国人市民の多い地域になっています。外国につながる子どもも、保育・幼稚園から高校まで増えていますが、外国人保護者からは、日本の教育機関のルールや年間行事、教員とのコミュニケーションは非常に独特と感じられるとの声があがっています。
今回のイベントは、東広島で新たな生活の一歩を踏み出す外国人保護者や外国につながる子どもに、外国人の先輩保護者から日本の学校のきまりや持ちものについて情報を提供したり、日本の学校で経験した母国との違いについて話すことを通じて日常レベルの不安を解消してもらうために企画しました。

共催した「たぶんかひろばpazuru」は毎月様々なテーマで外国人、日本人を問わず誰でも参加できる交流イベントを実施しています。特に、支援の手が届きにくい子育て中の女性を地域とつなぐことで孤立を防ぎ、子どもの成長に合わせて直面する教育問題も当事者同士でサポートできるよう、自分たちが暮らす地域や学校など子どもを取り巻く事柄について情報交換を行う企画をこれまでも実施しています。「学校のことを話そう!」の3回目となる本企画では、JICA中国も共催し、事前の打合せから当日まで協働で準備を進めてきました。

日本独自!?の学校文化、聞いてみよう、話してみよう

最初に、たぶんかひろばpazuruスタッフが日本の小学校についての基礎情報を説明しました。日本人には当たり前の学校での日常は、多くの外国人にとって驚くことばかりのようです。たとえば登下校。近くに住む子どもがグループで登校する「集団登校」や、それを保護者が通学路に立って交代で見守る「旗振り当番」といった習慣は非常に珍しい習慣とのことです。また、遠足や修学旅行、運動会やマラソン大会といった学校行事も無い国が多く、授業参観、保護者面談といった親と学校とのコミュニケーションの方法も独特なようです。
このような日本独自の行事が多いこと、それぞれの行事の特徴や保護者と学校との関わり方や注意点などを、やさしい日本語と英語で説明していきました。

後半は、外国人保護者の関心ごとにグループを分けて座談会を行いました。小学校についてさらに情報を得たい人、来日したばかりで保育園や幼稚園について話を聞きたい人、高校進学について知りたい中学生の子どもを持つ保護者など、それぞれのグループに外国人と日本人参加者とスタッフが入り、情報交換を行いました。また、当日は日本人教員の方も多く参加下さったため、それぞれのグループに入り、学校関係者の視点からコメントや情報を共有頂きました。

多文化共生の取組みを考えるとき、日本人はつい「外国人」とひとくくりにしてしまいがちですが、彼らの出身国によって文化や習慣、価値観など大きく異なります。今回のイベントでも家庭学習がテーマになったとき、ある保護者は宿題が多すぎると感じ、別の保護者は母国にくらべてとても少ない、と話しました。また、同じ国の親同士でも「宿題が少ないから、今後の進学を考えると不安を感じる」という意見の方もいれば、「23時まで宿題が終わらないような母国の教育は辛かった。子どもにゆとりが生まれる日本の学習量はちょうど良い」という意見も聞くことができました。多様な地域社会をつくるには、外国人、日本人、△△人、という国籍や人種による国際理解の視点のみならず、隣に住む○○さん、といった他者理解の視点も必要ではないでしょうか。

JICA中国は、これからも様々な団体と連携し、多様で豊かな地域づくりに貢献していきます。

日本の学校行事について説明しました

参加者同士で部活動について話しています

座談会の様子

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