全国のJICA留学生を対象に「G7サミットの地『広島』を巡るツアー」を開催しました



2025.03.05
宮島での集合写真。この後、分かれて厳島神社を参拝しました。
3月5日(水)、全国の長期研修員とJDS生(以下、JICA留学生)を対象にツアーを開催しました。北は北海道から南は長崎大学まで、31名のJICA留学生が集まりました。その中には、前の日からJICA中国センターに宿泊した人も9名いて、チェックインしながら「私は〇〇から来ました。あなたは?」とロビーでにぎやかな声があちこちから聞こえていました。
当日の朝、ひろしま国際プラザを出発したバスは、東広島市内で広島大学に通うJICA留学生らをピックアップしながら広島駅を目指しました。夜行バスや新幹線で来て、広島駅で合流する仲間もいるのです。トンネルを抜け、バスが山陽自動車道から広島高速に入ると、下り坂のちょうど正面に海が見えてきました。瀬戸内海に浮かぶ島々がとても美しく、心ひかれます。広島は川の町。今は川が整備されて6本ですが、元々7本の川が流れていて、江戸時代には河口のデルタの一番大きい島の上に広島城が建設されました。「広はLarge、島はIsland。広島は大きい島という意味です。」と聞いた広島大学の研修員たちの中にも「そうだったの?」「知らなかったよ」とお互い目を見合わせる人たちがいました。
広島駅で無事に全員集合し、まず平和記念資料館を見学しました。朝早い時間帯でしたが、平和記念公園はなかなかのにぎわいです。日本人と同じかそれ以上の数の外国人もいました。立命館大学に在学中のウズベキスタンのムロドジョンさん、ショックさん、フェイズさんは、売店でそれぞれキーホルダーを買って、コインに名前を刻んでいました。「いい記念になるよ。」と満足そうです。
その後、平和記念公園内の原爆ドームや慰霊碑などのモニュメントを見学しながら、広島の復興についての講義を受ける「おりづるタワー」に向かいました。資料館で目にした凄惨な景色と、現在、目の前に広がる穏やかな公園の様子が対照的です。JICA留学生たちはたくさんの写真を撮りあっていました。
「おりづるタワー」では元広島県職員の八幡さんの講義を受けました。「原爆の後、平和記念公園を整備するのに様々な意見がありました。『今、欲しいのは道や公園じゃない。食糧だ!』という人もいたのです。」と語る八幡さん。「今では広島が平和都市になったと分かるものがあります。なんだと思いますか?」と問いかけました。「野球?」とJICA留学生。八幡さんからは「平和記念公園、平和大通り、平和書店に平和印刷…。広島には、名前に平和が付くものがたくさんありますよ。」と意外な情報を紹介していただきました。また、「地元の人の意見を取りまとめるには、多くの人の声を聴くこと。」と、タウンミーティングのチラシなどを見せながらお話をしてくださいました。
講義の後は、バスとフェリーで宮島に移動です。宮島の対岸の桟橋から10分ほどで宮島に着きます。「もっと大きな船を想像していました。」と笑うニアンさん(カンボジア・立命館大学)。フェリーを下りて、全員で集合写真を撮った後は自由時間です。エミさん(ナイジェリア・長崎大学)は、広島と言えばお好み焼き!ということで、お好み焼きを堪能していました。
午前中に訪れた平和記念公園も宮島の厳島神社も、ユネスコの世界遺産に登録されており、2023年のG7広島サミットの舞台となりました。今日は1日で2か所の世界遺産を訪れたことになります。モニさん(バングラデシュ・横浜国立大学)は「今月、国に帰るから、その前にどうしても広島に来たかったんです。来られて良かったです。」と満足そうでした。お天気に恵まれて、無事ツアーは終了。JICA留学生たちは、帰路に着きました。
今回のツアーは参加者にとって日本、日本文化を理解する良い機会となると共に、日本全国の大学で学ぶJICA留学生同士が友好を深める貴重な機会ともなりました。
原爆ドームをバックに
G7サミットの首脳と同じように、慰霊碑の前で写真撮影
平和復興へ国の取り組みについて質問するガーナのローズさん(立命館大)
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