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被爆80年 一人ひとりが平和の灯になるべく 「Hiroshima PEACE IGNITER Program」 に参加しました

#16 平和と公正をすべての人に
SDGs

2025.09.14

猛暑のなか、消えずの火を求めに弥山へ。このあと、消えずの火と共に下山。(2025/7)

18カ国、31名のJICA研修員が参加!そのプログラム目的と内容は・・・

2025年7月~9月の3か月間に渡り、一般社団法人広島青年会議所主催の「Hiroshima PEACE IGNITER Program」に18カ国、31名のJICA研修員が参加しました。様々なバックグラウンドを持つ参加者同士が、平和について対話を行いました。

本プログラムは、被爆80年を迎える広島の地で、国境を越えた青年たちが「相互理解から生まれる他者への思いやりの心」を持つことにより、一人ひとりが灯す平和の灯が、自国へ戻った後に、この広島の地で学んだことをベースに平和活動を進めていくことで、平和の大きな炎となり世界が平和になることを願いつつ、実施されました。7月には、平和記念資料館を訪れ、被爆体験者からの話を聞き、猛暑のなか、弥山に残る「消えずの火」を運ぶという、厳しい環境の中で1つの目的に向かい、国籍の異なる者同士が協力をする体験をしました。また対面プログラム以外では、各自が平和への行動計画を立て、実施、報告を行うオフラインプログラムもありました。各プログラムでは、いくつかのグループに分かれて、日本人高校生ボランティアがファシリテーターとなり、グループの中心となってメンバーをまとめていました。

参加者の様子

 全体のプログラム参加者は、50名、内訳は日本人国籍が8名、外国人国籍が42名でした。内JICAからは31名が参加しました。今なお紛争の起きている国からの参加者や悲しい歴史を持つ国からの参加者もおり、被爆体験者の当時の様子を聞きながら、今なお自国で起きている状況を思い出し、涙を流す参加者。過去の辛い思いを涙ながらに語る参加者の姿も見られました。その姿を見守り、気にかけるメンバー達の様子が印象的でした。参加者同士のお互いの平和への想いは、対話を通じて更に深まっていく瞬間でもありました。

 本プログラムのラストは、9月14日に広島に再集結をして、これまでに学び、感じ、考え、実践した、もしくはこれから実践しようとしている平和行動、計画をお互いに分かち合い、Hope80のメンバーに発表するというものでした。各グループ1名、もしくは2名の代表者が想いを発表しましたが、JICAからの研修員も積極的に発表をおこないました。

 多くの参加者から、プログラムを通じて平和への理解、想いが深まったというメッセージをもらいました。ここでひとり参加者の声を紹介したいと思います。

ベトナムからの参加者の声

「ピース・イグナイタープログラム」は、本当に意義深い取り組みであり、私に多くの深い感動を与えてくれました。特に心を打たれた瞬間は、平和記念博物館を訪れた後に皆で集まり、思いを共有したときでした。グループの中には感情が込み上げて涙を流す人もおり、感極まって言葉を詰まらせる人もいました。彼らは東ティモールやミャンマーなど、さまざまな国から来ています。それぞれの国には異なる物語がありますが、戦争による痛みは私たち全員が深く理解しているものです。

ベトナムも例外ではなく、世界で最も多くの爆弾(重量)を受けた国の一つです。約750万トンの爆弾がベトナムに降り注ぎ、これは第二次世界大戦中に投下された量の3倍以上に相当します。このため、私たちベトナム人は平和を心から大切にし、常に未来を見据えています。

このプログラムでの経験を通じて、私たちは共に生活し、物語を共有し、将来に向けて平和のメッセージを広める計画を立てました。壮大なアイデアもあれば、シンプルでありながら意味深いものもあります。私たちの願いが早く実現することを願っています。

プログラムを終えて

JICA中国では、広島県に所在していることもあり、平和学習を研修員が受けられる環境を提供しています。平和を願う気持ちは、国、性別、年齢等問わず、みな同じです。
海外から縁あって、日本にやってきた研修員にとって今回のプログラムが、改めて平和について考える貴重な学びの場となったことにとても嬉しく思っています。また今回の学びを自国にて展開して、平和の灯を炎に変えて、世界が平和になることを願い、期待しています。
今回このような素晴らしいプログラムを開催いただいた広島青年会議所のみなさま、そして共催のUnitarのみなさまをはじめ、本プログラムに関わったみなさまに感謝です。

※戦後80年の節目に、東条英機、トルーマン大統領、ガンジー等の子孫が集まり、平和にかかる活動を実施。

宮島は晴天で猛暑日でした(2025/7)

平和への想いを発表(2025/9)

全プログラム終了時の記念撮影

お互いの平和行動を分かち合っている様子

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