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【実施報告:鳥取県】2025年度 JICA中国・四国 教師海外研修授業実践 米子市立住吉小学校

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2026.01.05

授業の様子

日本ではどれくらいの水が毎日使われているのかな?

2025年11月26日(水)、JICA中国・四国 教師海外研修に参加し、ラオスを訪問した米子市立住吉小学校の青山航大先生が、4年生のクラスの総合的な学習の時間を使って、ラオスでの学びを伝えるための授業を行いました。ラオスでの国際協力の現場視察やホームステイを通して、開発途上国の現状や人々の暮らしについて学んだ上で、今回青山先生が授業のテーマに選んだのは「私たちの生活と水とのつながり」です。

まず、日本では日常生活の中でどのような場面で水を使い、どれくらいの量を使っているのかをみんなで考えました。先生が用意した2リットルの水が入ったペットボトルを手にしながら、歯磨き・洗顔、洗濯、料理、トイレ、お風呂など、それぞれの場面でペットボトル何本分の水を使っているか予想してみました。子どもたちは次々と予想する数字を答えていきましたが、どれも実際より少ない量でなかなか正解しません。日本の生活における水の使用量の平均を先生が伝えると、自分たちの予想した数字よりも大きかったため、驚く子どももいれば、「洗顔だけで本当にそんなに使っているのかな?」と不思議に思っている様子の子どももいました。

ほんの少しの調味料も、生き物にとっては大きな汚れに

続いて、「水を一番汚す調味料はどれだろう?」という問いから、家庭から流される調味料や食べ残しが海や川で棲む生き物に与える影響について学びました。普段よく使う調味料や油を小さじ一杯ずつ、またお椀一杯の味噌汁が水に流れた場合、その中で水中の生き物が生きていけるようにするには、どれほどの量の水で薄めなければならないのかが伝えられました。ほんの少しの調味料でも、大量の水で薄める必要があることに、子どもたちは驚きを隠せません。児童のひとりが、「お味噌汁は絶対に残さず飲む!」と宣言し、それを聞いた先生は「みんなが食べ物を残さないことが、生き物を守ることにつながるかもしれませんね」と優しく伝えました。

青山先生が見てきたラオスの水

日本の水の使用量や生活排水による影響を学んだ後、青山先生が教室のモニターに映し出したのは、5人の女の子が写った一枚の写真。「これはどこの国の人たちだと思いますか?」という問いに、子どもたちは知っている国の名前を次々に挙げました。先生が夏休みにラオスを訪れたことを知っている児童からは、「ラオス!」という声が聞こえてきました。写真に写っていたのは、水の入ったバケツを頭に乗せて運んでいるラオスの女の子たちです。それぞれのバケツには約20リットルの水が入っています。その重さを実感してもらうため、先生は20リットルの水が入ったタンクを用意し、自ら頭に乗せて歩いてみせました。「自分もやってみたい!」と集まった子どもたちは、「重すぎて乗らない!」「頭がつぶれそう!」と大声を上げていました。ラオスの子どもたちは、毎日4時間かけてこの水を運んでいると聞き、「こぼれそう」と言った児童もいて、ラオスの子どもを取り巻く環境について具体的なイメージが描けたようでした。青山先生によると、ラオスの子どもたちは、時間をかけて運んできた大切な水を、「使っていいよ」と先生たちに分けてくれたといいます。この話を聞いた子どもたちからは「優しい!」という声が上がりました。

その後は、バケツを運ぶ写真以外にも、ラオスの水に関する写真をいくつか見ながら、それぞれの写真が「SDGsのどの目標に関係するのか」をグループになって話し合いました。先生が見せてくれた写真からは、ラオスの人たちが使う水の色や量が日本とは全く違うこと、そしてその水がどれほど貴重なのかが伝わり、子どもたちはラオスが抱える現実を想像しながら真剣に意見を交わしていました。

一時間の授業を通して児童の様子を見ていると、自分たちの担任の先生が見てきたもの、体験してきたことが共有されることで、ラオスの人たちの優しさや現地の問題をより具体的に想像できるきっかけになったように見えました。

今後も青山先生がラオスで得た知識や感じたこと、考えたことを、時間をかけながら多くの子どもたちに伝えてくれることを期待しています!

(報告:鳥取県JICAデスク)

生活排水の影響について

20リットルの重さを体験

SDGsのどの目標と関連しているか話し合いました

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