【広島県:実施報告】広島大学でJICA職員による平和構築支援の講義を行いました。
2025.06.24
2025年6月23日(月)、広島大学の山根達郎教授が担当される学部生向けの教養科目「世界の紛争と平和」で、JICA平和ガバナンス・平和構築室の山中祥史職員が講義を実施しました。
本講義では、世界やアフリカにおける紛争の状況や傾向をふまえ、特に日本・JICAが行う平和構築支援を詳しく説明しました。その後、南スーダン及びエチオピアの平和構築支援を事例に挙げ、紛争の再発防止のための施策や、復興支援プロジェクトの取組を紹介しました。
日本は、広島・長崎の原爆を含む戦後復興や東日本大震災の災害対応と復興の経験を有しており、社会や行政機能が混乱する国や地域に対し、制度構築や行政・住民間の信頼醸成を通じたレジリエントな社会づくりの経験として広く共有できる強みを持っています。講義では、こうした日本ならではの知識・経験の共有の一例としての社会・経済基盤の整備や人材育成(研修員受入事業)、スポーツを通じた和平の促進等に触れ、個々人の能力強化やインフラ設備、また行政の役割強化といった複合的な協力を通じた平和の定着・経済の安定化を紹介しました。
講義の冒頭、「みなさんにとっての平和とは何ですか?」という山中職員からの問いかけに対し、学生のみなさんからは「今の日本」、「明日も同じ生活が続けられること」、「教育が保証されること」、「楽しく生きられること」といった声が挙がりました。また、「平和構築とは何だと思いますか?」という問いかけに対しては、「対話をすること、武力が抑制のために使われないこと」、「核兵器が無くなること」、「争いで命を落とさなくなること」、「日々の生活や権利が守られること」といった声が挙がりました。
広島は被爆から80年の間に着実に平和への歩みを進めるも、まだまだ世界各地では紛争等による混沌とした状況が続いています。本講義を通じ、世界の状況を考え、今後平和な世界に近づくために日本が果たす平和構築支援の役割について、学生のみなさんの考える機会になれば幸いです。
講師の山中職員
約100名の学生さんが受講し、山中職員からの様々な問いかけに積極的に応答いただきました。
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