【岡山県:実施報告】2025年度 JICA中国・四国 教師海外研修授業実践 里庄町立里庄中学校
2026.03.02
2025年12月17日(月)、JICA中国・四国の教師海外研修に参加し夏にラオス人民民主共和国を訪問した里庄町立里庄中学校の佐藤文哉先生が、1年生の英語の授業で「ラオスでの学びを生かした授業実践」を行いました。ラオスで使用されている言語はラオ語と呼ばれる言葉ですが、佐藤先生はラオスでのホームステイを経験した際、村に住む少女と英語で簡単なあいさつや名前を伝え合うことでコミュニケーションをとることができた経験から、第二言語として英語を学ぶ有用性を強く実感したといいます。
この経験をきっかけに、「生徒にも世界に目を向けてほしい」「文化の違いや多様性について考えてほしい」「開発途上国について学び、自分に何ができるか考えるきっかけにしてほしい」という思いを持ち、授業では英語を実際に使い、話してみることを大切にする姿勢を意識しました。この日の授業テーマは「他国の学校生活を知り、良さや課題に気づき、自分たちにできることを考えてクラスで共有する」でした。
これまでの英語の授業6時間を使って、生徒たちはアメリカとラオスについて学びを深めてきました。ラオスについては、佐藤先生が「世界には日本やアメリカのような先進国だけでなく、ラオスのような開発途上国もある」ということを授業の中で伝え、生徒たちも自ら調べ学習を進めてきたそうです。
生徒たちはこれまでの学習を振り返りながら、教科書に書かれているアメリカの学校生活について、2人1組で英文を読み取り、「わかったこと」 を英語で伝え合いました。日本と異なり授業を自分で選ぶシステム、個別の時間割を組むためクラス全員が同じ時間割ではないこと、昼食が弁当持参やカフェテリア購入など様々であることなど、アメリカならではの学校生活についてお互いに共有していきました。
ラオスに触れる授業実践の7時限目となるこの日、生徒は、ラオスの子どもたちへ将来伝えることをイメージして考えた英語のメッセージを、トピックごとに発表していきました。発表の最後には、「ラオスでしたいこと」「ラオスの生徒と一緒にやってみたいこと」を一人ひとり英語で表現しました。その中にはラオスの生徒へ聞いてみたいことも含まれていましたが、
「ランチはどんなものを食べているのか聞いてみたい」
「どんな校外学習があるのか知りたい」
「村の暮らしを知りたい」
「伝統的な料理を食べてみたい」
など、教科書で学んだアメリカとの比較や、各自が調べた内容を背景として生まれた質問が多くありました。また、調べ学習の過程でよく目にしたためか、「ラオスでペタンクを一緒にやってみたい!」と、現地ではポピュラーなゲームに触れる声もたくさん上がりました。佐藤先生の補足説明やサポートを得ながら、生徒たちはラオスの文化・習慣への理解を深め、学習した英語表現を実際に使うことに一生懸命挑戦していました。
授業中の発表やペア活動では、生徒たちが互いに助け合いながら取り組んでいるのが印象的でした。ある生徒は「ラオスのいいところを新しく発見できた。私たちができることは、世界の状況を知り、日本の人たちに伝えること。自分自身はラオスという外国に行くのは難しいけれど、日本でできることをどんどん行っていきたい」と振り返っていました。
授業を通して見えてきたのは、佐藤先生がラオスで見てきたこと・感じたことが、生徒たちのイメージを膨らませ、英語で実際に表現してみる小さな挑戦につながっているということです。目の前にラオスの人がいない状態では、具体的に自分に何ができるのかを想像するのは少し難しかったかもしれません。しかし、佐藤先生には「いつかオンラインで現地の学校とつながり、生徒たちに生のやりとりを経験してほしい。ラオスをもっと身近に感じてほしい」という思いがあるそうです。
今後も佐藤先生がラオスで得た知識や経験を、多くの子どもたちへ伝え、国際理解教育を広めてくださることを期待しています。
(報告:岡山県JICAデスク)
2人1組になって、理解したことを伝え合う生徒
先進国と開発途上国について学びます
ラオスの子どもたちと一緒にやってみたいことを英語で表現