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【実施報告:鳥取県】米子市小学校教育研究会 国際理解・児童文化部会・JICA中国連携「国際理解研修」

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#11 住み続けられるまちづくりを
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2025.07.18

異文化体験ゲームをしている様子

2025年6月20日(金)、鳥取県米子市内の小学校教育の向上を目的としている米子市小学校教育研究会の国際理解・児童文化部会による国際理解に関する研修に、JICA中国スタッフを講師として招いていただき、参加してきました。

外国人住民の人数が過去最多に達した鳥取県の中でも、米子市は特に外国人住民が多い地域のひとつとして知られています。外国につながる子どもたちの数は今後も教育現場で増えていくことが予想されますが、「外国につながりをもつ子ども」と言っても、それぞれの子どもたちの背景は異なっています。それでも、異文化の中に入ったときに感じる戸惑いはみんな同じはずです。そのため、自分が生まれ育った国で生活していると気づきにくい、異文化に触れたときの気持ちを想像するきっかけとしていただくため、異文化体験ゲームを行いました。

また、JICAの国際協力推進員である鳥取県JICAデスクからは、一瞬だけ国際協力推進員としての立場から離れ、シエラレオネにルーツを持つ子どもたちの保護者として、日本に移住してからの2年間の体験談を共有しました。地域や学校でも子どもたちが早く日本の生活に慣れるよう、様々な取り組みが行われている一方で、異文化理解という点については、外国につながる子どもたち側へ、日本理解を働きかけるのみにとどまっていることが多いのではないでしょうか。日本の文化やルールを教えるだけではなく、もう一歩踏み込んで相手の文化についても質問することで、お互いの不安をやわらげ、楽しい学校生活を送るきっかけになるのでは、という希望を率直にお伝えしました。

体験談の後には、「文化の違う人たちが同じ地域や学校で共に暮らすために何が必要か」というテーマでダイヤモンドランキングを先生方に作成していただき、それぞれにとって大事なことはどういうことか、について考えを共有する機会としていただきました。日本人として、同じ地域で小学校教員として働いている先生方であっても、それぞれの優先順位が異なっている結果を見て、何かを感じ取っていただけていれば嬉しいです。

食料・モノ・ヒト・エネルギーなど、どれを見ても今や日本は海外とのつながりなしに成り立ちません。これからますます外国人が増加すると言われ、多様な背景を持つ子どもたちと向き合っていく教育現場に立つ先生方は、こうした世界とのつながりを子どもたちに伝えながら、互いを理解し合い、豊かな人生を歩んでいくために必要な力を育てるという、大切な役割を担っておられます。これからも先生方を含め多くの方々と意見交換をしながら、子どもたち一人ひとりが安心して過ごせる環境を共に作っていきたいと思います。

(記:鳥取県JICAデスク 首藤 あずさ)

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