【教師海外研修 国内事前研修】ラオスでの学びを深めるために、今からできること


2025.07.23
ラオスのLで心をひとつに!
2025年6月28日(土)、29日(日)の2日間、教師海外研修の国内での事前研修を行いました。今年度もJICA中国・四国の合同チームとなり、8月には東南アジアに位置するラオスを訪問します。中国4県から6名、四国3県から4名、計10名の先生方が、事前研修研修の会場である岡山に集まりました。まずは、JICA島根県国際協力推進員の進行による自己紹介タイムで、参加者、JICAスタッフ全員と交流をはかりました。
研修冒頭では、JICA職員からODAやJICAについて説明しました。JICA事業は多岐に渡り、内容や名称も難しいため、カードを使って楽しみながら事業の特徴を知って頂きました。また、授業や学校の取組みでも扱われることの多くなったSDGs(持続可能な開発目標)についても、グループ対抗の簡単なゲームを通じて、持続可能な発展とはなにか、そのために私たちができることはなにか、を考えて頂きました。
1日目の後半は、ラオスへの理解を深めるため2名のゲストにお話し頂きました。
一人目のゲストは、オンラインでご参加下さった広島大学大学院人間社会科学研究科の牧貴愛准教授です。牧准教授は、タイにおける教育と開発をめぐる諸課題の研究を専門とされていますが、ラオス、カンボジア、ベトナムとの4か国の比較研究にも取り組まれる中で、ラオスの教育事情や課題についても精通されていらっしゃいます。山岳地帯が多く、50もの民族が暮らすラオスの特色が、子どもの教育については課題ともなっていることを、具体的な事例や数値を示しながら解説してくださいました。
2人目のゲストである広島県府中町立府中緑ヶ丘中学校の古瀬由紀子先生は、昨年度JICA中国・四国の教師海外研修に参加され、ラオスを訪問しました。渡航前の準備や現地での過ごし方、ラオスで収集して役に立った教材や帰国後の授業実践など、過年度参加者ならではの視点から、今年度参加の先生方に向けて多くの助言を頂きました。現地での学びを、数学という一見国際教育からは遠く思える教科での実践につなげた古瀬先生の体験談から、参加の先生方も帰国後の取組みのヒントを得たようでした。
JICA事業をカードで理解してもらいました
府中町立府中緑ヶ丘中学校の古瀬由紀子先生
教師海外研修アドバイザーとして現地にも同行頂く山中信幸先生は、2日間にわたり講義とワークショップを担当下さいました。開発教育の定義と特長、開発教育と人権教育の関連性や教員に求められる資質といった教師教育につながる内容まで、幅広くご講義頂きました。また、格差を体感するアクティビティやワークショップの作り方の講義を通じて、教材、授業づくりにつながるヒントを与えてくださり、教材化する写真の撮り方と現地で暮らす人への配慮、留意点など、具体的なアドバイスもいただき、たくさんの学びと気づきが詰まった時間となりました。
内容の濃い2日間は先生方にとって大変だったと思いますが、一人一人が熱心に積極的に参加して下さり、とても有意義な事前研修となりました。
次回先生方とお会いするのは8月6日(水)、ラオス出発の前日になります。それまで各訪問先で何を見てどんなことを持ち帰りたいか、それが帰国後の授業実践にどうつながるか、児童生徒に何を伝えたいのかを問い続けてもらい、10日間の海外研修へ赴きます。
山中信幸先生
格差を体感するアクティビティ
ラオスでの交流や役割分担についての話し合い
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