【島根県:オンライン出前講座実施レポート】教室と世界をつなぐ!


2025.07.23
画面越しでも言葉がわからなくても、じゃんけん一つで通じ合う児童たち。
JICAでは、開発途上国の現状や日本とのつながりについて知り、国際協力の意義や必要性について理解し、自分たちにできることを考えるきっかけづくりを目的に、開発途上国で国際協力に携わってきたJICA海外協力隊(派遣中/帰国後の隊員)やJICA職員等を講師として紹介する「国際協力出前講座」を実施しています。
2025年7月7日(月)、少し緊張した面持ちでモニターの前に座っているのは大田市立静間小学校の6年生8名です。これからフィリピン共和国の同じく6年生の児童とオンライン交流が始まります!この日のために、静間小学校や島根県の紹介文やクイズを考え、発表の練習をしてきました。
彼らの担任の田淵野藍先生は2023年度にJICA中国・四国センターが実施した教師海外研修に参加しました。その際に訪れたアフリカ・ナミビア共和国での体験や気付きを日々の授業や生活の中で児童に伝えてきましたが、今度は児童たち自身にも世界とのつながりを直接体感してもらい、「異文化に触れるって面白い」ということを知ってほしいという想いから、本プログラムを企画しました。
また、フィリピン側から参加するのは、静間小学校が所在する大田市の出身で現在派遣中の山本士温隊員と、山本隊員の活動先の小学生です。山本隊員はJICA海外協力隊としてフィリピンの町役場の災害危機軽減管理事務所に所属し、普段は地域の小学校を巡回して防災・災害対策の普及活動に取り組んでいますが、今回はその活動先の一つである小学校から参加しました。
画面にフィリピンの児童が映ると一斉に「おおぉー」という声があがり、早速交流スタートです。まずは静間小学校のみんなから学校の給食やランドセル、島根県の観光スポットなどをスライドや実物を見せながら紹介。また開催日がちょうど七夕の日ということもあり、七夕の説明をフィリピンの児童に伝えようと一生懸命練習してきた英語で頑張って紹介していました。オンライントラブルもあり、残念ながら準備した全てを紹介することはできませんでしたが、後日動画を撮影してフィリピンのみんなに改めて送るそうです。
その後は身の回りに関するクイズをお互いに出題し合いました。日本の小学生にとっては当たり前に毎日使っているランドセルに関するクイズや、静間小学校の児童たちにとってはあまりなじみのなかったフィリピンの主な宗教はなんでしょう、というクイズでは、回答を聞いたそれぞれから「えぇー!」という声があがり、驚きや文化の違いを感じていたようです。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、最後の質問・感想タイムでの静間小学校の児童の「僕と友だちになってくれる人はいますか?」という質問にはフィリピンのほとんどの子どもたちから手があがり、短い時間ながらも子どもたちが心を通わせた様子が見て取れ、とても嬉しくなりました。
「国際交流・協力」というと少し遠い世界の話と思う方ももしかしたらいるかもしれません。しかし子どもたちはちょっとしたきっかけで世界を知り、友だちになることができます。そして友だちができると、きっとさらに世界は広がっていきます。今回の交流が日本・フィリピン双方の子どもたちにとってそんなきっかけになるといいですね。
(記:島根県JICAデスク 舛本 才智)
日本の七夕について、頑張って英語で紹介しました!
フィリピンからも静間小学校の児童へたくさんの質問が寄せられました。
最後はお互いカメラに寄り、笑顔でお別れしました。
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