【山口県】第1回JICA研修員の大学訪問 梅光学院大学
2025.07.25
梅光学院大学「多文化共生と国際協力」受講生と研修員との記念写真
今年度JICA研修員の大学訪問、第1回目は、山口大学の研修員3名(パレスチナ、バングラデシュ、ネパール出身)が、下関市にある梅光学院大学を訪問、「多文化共生と国際協力」の講義を受け持つ外村晃先生と、その受講生の皆さんが迎えてくださいました。研修員らは山口市内から午前中に移動し、大学に到着してまもなく、ウエルカムランチに案内されました。先生と4名の学生と一緒に大学内のPane di Vitaという素敵なカフェでお昼ご飯。研修員はハラルの食事制限があるため、魚フライのワンプレートを準備していただきました。4名の学生と自己紹介などしながら、ランチタイムが終わると、外村先生からのキャンパスツアーが続きました。国立大学で学んでいる研修員達は、自分たちの知る大学の建物との違いにとても驚いたようです。この驚きは、おしゃれなカフェで食事している時から続いていましたが、なんといっても研修員全員が驚いたのは、CROSSLIGHTと呼ばれる校舎で、この校舎は「教育の見える化」を目指し、壁やドアのほとんどない建物となっています。事務員、教員のエリアなど、仕切りがあったとしてもガラス張りの空間で、ドアもありません。ホワイトボードも、壁だけではなく、床にも書けてしまうエリアもあり、階段状になっているソファエリア、丸いテーブル、小箱のような椅子のエリアなど、セミナールームとは思えないエリアがいろいろとありました。それぞれのエリアにはプロジェクターも備えられ、お掃除ロボットも見かけました。壁がなく通路と通路の間に流れるように続くエリアは、アルファベットでAからZまであり、Amenから始まり、Xmas、Zionというミッションスクールらしい名前が付いていました。授業として使われていない時は、学生達の自習や、雑談、お昼寝にも自由に使っていいそうです。極めつけは、先生の研究室がありません。この辺は先生方のエリアです、と1階で歩いてたどり着いたところでは、学長がPCで作業する姿があり、歩く研修員と学生の集団にお気付きになると、「ようこそ」「午前中から滞在しているんですね」と声を掛けてくださいました。日本初のフリーアドレス制のオフィスで働く職員と教員が、様々な形で学生と関わるとのことでした。CROSSLIGHTの内部では、新しい校舎の在り方に、研修員は驚きの連続でした。
キャンパスツアーから戻り、講義開始の時間に合わせて、研修員が準備してきた自分のPCを繋ぎ、いよいよ講義が始まりました。大学自体が小さいため、1年生から4年生が区別なく一緒に受けている講義であるとのことで、34名が集まりました。まず、ネパールのツルシさんから国の地形、仏教、観光の話など紹介がありました。次は、パレスチナのロアイさんから、なぜ、日本の山口大学に来ているのかという紹介もあり、日本が安全であること、戦争や教育についても触れ、パレスチナの地形や民族衣装を動画で紹介してくれました。最後にバングラデシュのスリアさんからは、自国での仕事の紹介や、食べ物や地形の紹介、挨拶の言葉について、日本語と英語とベンガル語で比較しながら紹介してくれました。観光を専門にする学生も多いこの講義において、外国の食文化など日本の学生には新しい発見がたくさんあったようです。最後に、講義を受けた学生より2名が代表して英語で感想や質問を出してくれました。パレスチナの現状をニュースで聞くだけだったが実際にその国の人から話を聞けたことは大変貴重な経験となったこと、ネパール人がカタールやマレーシアに多く住む理由は何か、という質問に対しては、ツルシさんから、雇用状況が十分ではなく、低賃金などの問題があるから、との答えをもらいました。3か国・地域からの研修員の話を聞く事自体が、普段では体験できない、とても素晴らしい機会だったと、研修員に車で片道約70kmの道のりの山口大学から来てもらったことを感謝され、講義は終了しました。
あっという間に講義の時間が終わってしまい、CROSSLIGHTの外にある、BAIKOの文字の前に急いで集まるよう外村先生のかけ声で、学生達みんなで外に移動しました。暑い中、職員さんも手伝ってくださり、記念写真を撮りました。「梅光学院のサイトに載せる写真になる」と先生からのお声が聞こえてきました。研修員にとっても、楽しく充実した記念すべき第1回目の梅光学院大学訪問となりました。この度、梅光学院大学でご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。
外村先生の本棚前で左から2番目から順にスリアさん、ツルシさん、ロアイさんと、外村先生(右端)
学長と挨拶
スリアさんによるバングラデシュお国紹介
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