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【広島県:実施レポート】原爆投下80年の広島平和記念式典に研修員とインターン生が参加しました

#16 平和と公正をすべての人に
SDGs

2025.08.20

式典会場の前で

平和記念式典へ出発、そして到着

2025年8月6日(水) JICA研修員9名、職員4名、インターン生2名の計15名が、被爆80年を迎えた平和記念式典に参列しました。早朝5:30にJICA中国のある「ひろしま国際プラザ」(東広島市)を出発。会場に到着後、研修員は外国人席へ、インターン生は一般席へ着席しました。会場は、見渡す限りの人で溢れかえっており、用意されたテントに入れなくとも、猛暑の中、外で立ちながら参列する人の姿も多く見られました。

平和記念式典の内容と感想

午前8時に開式し、原爆死没者名簿奉納、広島市議会議長式辞、献花が行われました。そして午前8時15分、80年前広島に原爆が落とされた瞬間に、会場内の全員が黙とうを捧げました。
次に、広島市長による平和宣言、放鳩、こども代表2名による平和への誓いが行われました。こども代表2名によるスピーチからは、「たとえ被爆者がいなくなっても、原爆の歴史を決して忘れず、次世代へと語り継いでいく」という強い意志が感じられ、とても心打たれるものでした。
その後、内閣総理大臣・広島県知事・国際連合事務総長によるあいさつが行われました。広島県知事の「核兵器は抑止力にはならない」という言葉が印象的で、心に残っています。
最後に会場内全員で、ひろしま平和の歌を合唱し、平和記念式典は幕を閉じました。
インターン生のひとりである、私は普段東京で暮らしているのですが、原爆投下80年という節目の日に広島に滞在でき、歴史ある平和記念式典に参列できたことに感謝をしています。式典に参列をして感じたこと、考えたことを東京に住む人々に共有したいと感じました。

平和記念式典を終えて、研修員へインタビュー

午前9時頃平和記念式典が終わり、そこから一行は献花の列に並び、各々平和への想いを込めて献花を行い、ひろしま国際プラザへと戻ってきました。

その後、私たちインターン生2名は、平和記念式典に参列した研修員にインタビューをさせていただきました。今回インタビューさせていただいた方々は、都市浄水の維持管理の研修のために広島を訪れており、このような機会は二度とないから、と平和記念式典の参列を決めたようです。

質問内容は以下の2点です。
Q1 なぜ平和記念式典に参加しようと思ったのですか?
Q2 参加した後、どのような気持ちになりましたか?

1人目の回答者は、バングラデシュ出身のルフィークル・アラム・サッダルさんです。
A1 広島は希望、復興、そして核兵器のない世界を求める国際的な呼びかけの象徴であるからです。
A2 無実の命が失われたことを追悼します。どん底の状況から立ち上がった人々の平和を願うメッセージに心打たれました。過去を敬い、全ての人にとって、より安全な未来を作っていきたいです。地球に平和が訪れますよう願っています。

2人目の回答者は、バングラデシュ出身のアブダッラー・ムハマッド・シャケルさんです。
A1 犠牲者に敬意を示したかったから、核兵器について学びたかったから、平和をどのように唱えるのか知りたかったからです。
A2 全ての国でこのようなことが起こってはいけないと思いました。自分の国の人に今日の出来事を伝え、平和を唱えたいです。

3人目の回答者は、スリランカ出身のルーシャン・チンタナ・ジャヤティラカ・スバシンハ・ムディヤンセラゲさんです。
A1 研修先で参加の募集があり気になったから、平和記念資料館に行って原爆のことを学びたかったからです。
A2 世界中で平和運動を促進したいと思いました。原爆で更地となった広島の地を一から建て直した方々に敬意を示します。原爆の悲惨さを次の世代へと語り継ぐために、必要な式典だと感じました。

4人目の回答者は、ネパール出身のプラディープ・レグミさんです。
A1 おそよ80年もの間、平和を願うためだけに開かれている式典に興味があったから、世界中で平和は大切だと考えるからです。
A2 原爆で命を落とされた方々には、どうか安らかに眠っていただきたいと思います。後世の人々にこの歴史を伝えていかなくてはならないと感じました。

この他、前泊をして山口県から参加をしたブラジル出身のカエタノ・ケンプフ・ファレットさん(山口大学)は、「人生で参列した式典の中で一番重要な式典だった。この貴重な経験は一生を通じて忘れることは無い」と真剣な表情で話されていました。また、ナイジェリア出身のバウォール・アリユー・アリーさん(広島大学)は、「式典は私たちが直面した恐怖だけでなく、平和の重要性と核兵器のない世界の緊急性を強く思い出させるものでした」と核兵器のない平和な世界について強い想いを共有してくれました。
たとえ国、言語は違ったとしても、平和を願う思いは、みな同じだということに感動しました。これからも平和記念式典をきっかけに、1人でも多くの方が平和について考えて下さることを願っています。

報告:JICA中国インターン生 明治大学 政治経済学部 山本百花

インタビューの様子

献花の様子

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