【実施報告:広島県】高校生国際協力体験プログラム2025 -仲間と過ごす暑く熱い3日間- (2025年7月25日-27日実施)



2025.08.25
最後に全員で集合写真
今年もJICA中国で、最も暑く、熱い夏がやってきました。毎年7月末に開催している「高校生国際協力体験プログラム」、今年は7月25日から27日に開催しました。近くにいるだけでぐっと体感温度が5度上がる、そんな高校生たちの2泊3日を今年もお届けします。
今回参加するのは、中国5県から集った高校生42名。駅から乗り込んだバスの中では、はじめは緊張した様子でしたが、自然に近くの人たちと自己紹介がはじまり、JICA中国に到着する頃には和やかな表情でした。
まずは、中央アジアの正装に身をつつんだJICA中国川本次長の挨拶から始まります。
「情報があふれ、倍速で情報処理が進んで行くこの時代。人生は1本の道でも、分岐点で選択していかないといけない。その中で選んでいくことはよくもあり、難しさもあります。でも、これから未来を担っていく高校生のみなさんを含め、ひとりひとりが世界で力を合わせれば世界は良くなると思っています」。
この川本次長のエールを皮切りに「JICA中国 高校生国際協力体験プログラム」の幕が開きました。
その後、ロビーで自己紹介やグループ分け、様々なアクティビティをしながら、気持ちも体もあたためていきます。それぞれのグループを率いるのは、各県で国際協力の窓口を担当している国際協力推進員やJICA海外協力隊の経験者(OV:Old Volunteerの略)。今年はそこに7名の大学生が運営スタッフとしてサポートします。
JICA中国佐藤職員の「国際協力って何だ?」の話では、高校生に身近なキャリアの話や、国際協力がなぜ必要なのか等、ここから国際協力について考えていく高校生に、新たな視点が生まれるよう、問いかけながら進めていきます。
その後の、異なる文化を体感するアクティビティでは、異なる文化と出会う驚きや戸惑いを感じながらも、その中で分かりあえる嬉しさやわくわくする気持ち等、自分たちの心の変化を感じとっていたようでした。
夜のJICA留学生との交流では、頑張って英語でコミュニケーションを取ろうとする高校生や、身体全体で伝えたいことを表現する高校生。それぞれ異なるアプローチをしている姿も見られます。
さっそく濃密な1日目が終了です。次の日は何が起こるのか…どきどきです。
2日目は「なりきりJICA海外協力隊」として、高校生たちはとある架空の国へ派遣されます。実際にJICA海外協力隊として世界で活動した先輩隊員から活動のコツを聞き、実際に現地を訪問して行うヒアリング(現地の村人に本気でなりきる演技派講師陣)。 はじめは、「相手の話をただ聞きにいく」という気持ちの高校生たちでしたが、村人になりきった大人たちの真剣な表情を見て、ヒアリングの回数を重ねる度に、質問する内容にも熱が加わります。村人や関係者から聞き取った内容を元に、グループで課題を整理、そこからさらにヒアリングを重ね、グループ内で議論し、思考をつなげ、課題解決のためのアクションプランを作成します。中間発表も行い、とうとう明日は全員の前での最終発表。
とうとう最終日の3日目。最終発表までは、各グループ最後の追い込みです。それぞれのグループ8分の持ち時間内に一人一人が発表できるよう、時間を図りながら調整していきます。そして、最終発表。人前で話すのが苦手な高校生もいましたが、自分たちの作ったプロジェクトをいかに分かりやすく伝えるか、試行錯誤しながら伝えました。
どのグループのアクションプランも興味深く、大人では考えつかないようなプランに、大きな拍手が湧きます。
最後は全体でこの3日間を振り返ります。
「自分と近い考え方を持った、この仲間と深く議論できた時間が本当に貴重だった」
「この場でしか会えない人、この場でしか学べないことがあった」
「これまで自分の選択に自信を持ちきれないときもあったが、この3日間で自分の考えに自信を持つことができた」
国際協力について仲間と考え深めていく3日間。参加者ひとりひとりが、仲間と過ごすことで改めて自身の進路や考え方を振りかえるきっかけになったことでしょう。
みなさんとは、また日本ではないどこかで出会うかもしれません。 みなさんがこれから進む道でこの3日間が背中をそっと押してくれるきっかけになれたら嬉しいです。それぞれの困難の先に、また会いましょう!
研修員の国について聞いている様子
グループで議論しながらアクションプラン作成中
アクションプラン発表
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