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【岡山県:ブース出展報告】たかしま防災クエスト大作戦2025にブースを出展しました!

#1 貧困をなくそう
SDGs
#11 住み続けられるまちづくりを
SDGs
#13 気候変動に具体的な対策を
SDGs

2025.10.23

ブースを担当した留学生と協力隊経験者とご家族、ボランティア高校生

防災への取組みに多様性を

2025年9月27日(土)、岡山市立旭竜小学校で岡山市立高島公民館とTKB(高島・旭竜防災グループ)が主催する「たかしま防災クエスト大作戦2025」にJICA中国として初めて参加しました。TKBにはJICA海外協力隊の経験者が関わっています。

会場のある岡山市の旭竜・高島学区では、小学校4年生の後期に防災授業が実施されます。今回のイベントはその連携イベントとして小学生を対象に実施されました。今年のテーマは「目指せ防災マスター」。イベント内容は、参加した児童たちが各団体が出展するブースを回ってコインシールを集め、そのコインシールで防災モンスターを倒すという形式で、楽しみながら防災知識を身につけることができる内容でした。

本イベントは今年で3年目を迎え、今年は「多様性」をテーマに取り入れたいという主催者側の希望から、講師として岡山大学で学んでいる2名の留学生(ケニア、タンザニア出身)に、停電や断水など、開発途上国で日常的に起こる事態への実際的な対処法を小学生に伝え、災害時に応用してもらうことになりました。

当日は高島公民館やTKB、ボランティアの方々が温かく迎えてくださいました。地元の高校、大学、消防、企業など地域の様々な関係者が関わり、地震の揺れを体験したり、岡山県の地質や石について学んだり、また岡山大学医学部サークルによる救命処置の体験、岡山大学ダンス部による防災ダンスも盛り上がりました。

これらを支える地域のボランティア隊として、高校生や大学生も活躍し、大変活気がありました。JICA中国ブースにも、留学経験のある高校生が通訳の一員として役立ちたいと名乗り出てくれ、協力隊経験者のメンバーとともに活動しました。

小学生も、体験を通じて災害について学ぼう

JICA中国のブースは、ケニアチームとタンザニアチームに分かれて準備を進め、いよいよイベントが始まります。児童は、計8カ所のブースから気になる3ヵ所を回ってコインシール集めます。当日、会場全体で46人の児童が参加し、JICA中国のブースには15人の児童を含む約40人の参加がありました。

最初はJICAのブースを「なんだろう?」と遠くから眺めていた児童も、協力隊経験者が「英語での説明だけれど、私たちが通訳しながら一緒に聴くよ!」と声をかけると、少しずつ集まり始めました。

留学生は出身国の紹介をした後、「Safety Heroes」と題したスライドを使って説明を行いました。留学生は児童に対し、「停電を経験したことがありますか?まずパニックにならないことが大切です」また、「停電時の過ごし方として、ゲームや話をしたり、また絵を描いたり、家族と過ごしたりし、落ち着きを保つこと」も大切だと伝えていました。さらに「水がない状況で過ごしたことがありますか?」という質問を通じて、水を大切にすることのみでなく、洗面器や入れ物に入れて大切に使う方法も伝えました。ストレスや困難な状況に直面した時に、気持ちをコントロールすることの大切さも伝えていました。

最後に、「Be Smart(賢くあること)」「Be Brave(勇敢であること)」「Be Ready(準備を整えること)」というメッセージで締めくくりました。知識を得ることは自信につながること、たとえ小学生でも、自身が地域の安全を向上するために貢献する一員として自分たちの役割を認識できるよう、語りかけていました。参加してくれた46人の児童以外にも、ボランティアで関わっていた高校生、大学生、スタッフの方々もJICA中国のブースを訪れてくれました。

顔の見える関係づくりを

通常、外国人は災害時に配慮が求められるということで、支援対象として認識されています。今回は、留学生が防災教育に地域の一員として、また同時に講師として参加し、知識を参加者と共有しました。防災教育の中でも、外国人のから学びや触れ合いが、子供たちへの勇気づけや自信の獲得にもつながり、地域全体の防災力を高めることにつながればと願っています。

今回のイベントが行われた地域は留学生の生活圏内でもあり、地域のみなさまと顔の見える関係を築くことができたことも有意義でした。高島公民館やTKBのみなさま、当日お世話になったみなさま、ありがとうございました。

キリマンジャロや動物、タンザナイトなど、タンザニアを紹介したキャサリンさん。たくさんの質問を受けていました。

「停電を経験したことある?」と語りかけるケニアのシシリアさん(JICA長期研修員)

高校生も通訳で活躍したケニアチーム

お隣のブースは、岡山市でとれる硬い花崗岩(かこうがん)万成石(まんなりいし)をすりつぶした絵具を使ったスタンプ体験を行っていました。「岡山県の石」だそうです!

ブースを回って、防災モンスターからケニアとタンザニアに関するクイズを出題される小学生。正解すると、焼きマシュマロをもらえます

締めは中南米の子どもたちの祭りなどで使われる、紙製のくす玉にお菓子を入れ、上から吊るして棒でたたく「ピニャータ」。割れたらお菓子を分け合い、皆大喜び! 1か月近くかけて作られました

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