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【実施報告】 水島に学ぶ~岡山大学&香川大学に留学中のJICA研修員が水島を訪問!

#3 すべての人に健康と福祉を
SDGs
#11 住み続けられるまちづくりを
SDGs
#12 つくる責任、つかう責任
SDGs

2025.11.15

水島コンビナートクルーズの参加者の全員で集合写真

大昔の水島地域

 11月15日(土)、岡山県倉敷市の水島地域にて、フィールドワークを行いました。本取り組みは、2020年から、みずしま滞在型環境学習コンソーシアム様のアレンジで岡山大学に留学中のJICA研修員向けに実施していましたが、今年は、香川大学に留学中のJICA研修員も合流をして計6名(カンボジア、ブータン、ミャンマー、モロッコ)でフィールドワークを行いました。

 集合場所の岡山駅からバスで約1時間。最初に到着したのは、倉敷埋蔵文化財センターです。学芸員の方の案内で貝塚、土器や石器、そして今から約2300年前の弥生時代の竪穴式住居の模型等の展示を見ました。まずは入口を入ると実際に出土した貝塚の貝層断面が展示されていました。倉敷では貝塚が多く発掘されるようです。館内には発掘調査で出土した遺物と発掘場所が時代ごとに展示されており、時系列に、人々の暮らす場所が今は海になっている場所から内陸へと変化していく様子を学びました。JICA研修員(以下、「研修員」という。)からは調査方法の質問や「母国には埋蔵文化財センターのような施設がないのですが、日本にはたくさんあるのですか?ほかにも行ってみたいです。」という声もあり、考古学に興味を持った研修員もいました。

水島地域のまちづくり、環境再生について

 倉敷埋蔵文化財センターのあとは、みずしま資料交流館へ向かいました。みずしま資料交流館では、水島地域のこれまでの歴史を動画視聴後、みずしま財団の副理事長(代表理事)でもあり、元水島協同病院診療技術部長だった福田氏と対談をする場が設けられました。

 今回の参加者の専門領域は、医療系がなんと6名中5名。今回のツアー申込のきっかけは様々でしたが、水島の公害における健康被害について知りたいという想いで参加をしている研修員もいて、実際に病院で公害の健康被害にあわれた患者さんを多く見てこられた福田氏との対談は活発に行われました。研修員からの質問は、大気汚染の原因が、なぜ企業からの煙と言えるのか。政府からの解決策はなかったのか。公害被害後、人は戻ってきているのか等含め数多く上がりました。

 水島では、今は魚を釣って食べることもでき、人口も増えてきているとのこと。しかし、今もなお約750名の方が公害の影響で苦しんでおられ、その方々の苦しみと市民レベルの町が綺麗になったという現状をシェアすることが難しく、苦しかった過去とこれからの未来のためにみずしま資料交流館は存在するという話を聞きました。研修員の一人は、「同じような問題が母国でも起きていて、国が対策を取り始めているところだが、今後どのようになるのか、水島地域がたどった歴史を聞くのはとても興味深かった。」と話していました。

古城池高校のみなさんによる水島コンビナートクルーズに参加

 そして、いよいよ水島コンビナート地域へ出発です。倉敷古城池高校のみなさんが企画した水島コンビナートクルーズに参加させてもらいました。小さなお子さん連れの親子参加の方々と一緒に乗船。日本語がわからないJICA研修員のために英語ガイドを担当してくれる高校生のみなさんが、研修員の近くに乗船してくれました。

 この日は、天候にも恵まれ差し込む日差しがとても眩しく船内は暑いくらいでした。クルーズを出発してまもなく見えてきたのは、出荷予定と思われる自動車がたくさん並んでいる様子。そして大きなタンクなどが目に入ってきました。両岸には多くの工場、そして煙突から煙(水蒸気)や炎が出ている様子。通常、見ることができない水上からの景色に気分も高まります。写真や動画を撮影しながら、景色に見入っていました。またクルーズでは工場の紹介と共に関連するクイズなどもおこなわれて、盛り上がりました。

 約1時間のクルーズ後は、クルーズに参加をされていた方々と一緒に写真撮影。そして、本クルーズを企画してくださった倉敷古城池高校のみなさんへ研修員一人ずつ、感謝の言葉を伝えました。高校生のみなさんからは、英語を勉強するモチベーションが上がった等、感想もいただきました。倉敷古城池高校のみなさん、ありがとうございました!

展望台から町を見下ろして

 フィールドワークの最後は、これまで動画を見て、話を聞いた水島の町を水島展望台(鴨が辻山)から水島地域を見下ろしながら、水島の再生プランにあったグリーンベルト(コンビナートを緑で包む)はこの辺りで実施している等、現在の様子についてみずしま財団の研究員、塩飽氏から話を伺いました。展望台から左手に瀬戸内海、先程クルーズで見たコンビナートをはじめとした工場地帯があり、そして住宅地が並び、川、道路と町の様子がよく見えました。展望台で自然環境、地形を確認したのは夕暮れ時、そして展望台のある山は紅葉で色づいており、とても綺麗な自然の様子に研修員達は幸せそうな表情でした。

 今回のフィールドワークでは、水島地域の歴史から開発と環境、健康被害について話を伺い、学ぶことができました。また公害という大変な時期を経て、現在この地に暮らしている高校生たちと触れ合い、研修員一人ひとり考えさせられたこと、感じたものがあったかと思います。水島地域で起きたことは研修員の母国でも起こり得ることでもあり、貴重な学びを得ることができた一日でした。フィールドワークをアレンジしていただいた、みずしま滞在型環境学習コンソーシアム様はじめ、各所でご対応いただいた皆様ありがとうございました。

学芸員さんの説明を受けながら展示物を見ました(倉敷埋蔵文化財センター)

水島地域の開発について動画を視聴している様子(みずしま資料交流館)

クルージング後にガイドの高校生のみなさんへ感謝の言葉を伝えました

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