【島根県海士町:実施報告】海士町で活動したグローカルプログラム実習生が成果報告会を開催
2026.04.21
白須さんが企画したスマホ教室
島根県隠岐郡海士町では、2022年1月より、JICA海外協力隊の派遣前研修「グローカルプログラム」(以下GP)を実施しています。
2026年1月から3月末まで海士町に滞在し、2026年7月にエジプト・アラブ共和国へJICA海外協力隊の青少年活動の職種で派遣が予定されている白須裕太(しらす ゆうた)さんが、75日間にわたるGP実習を修了しました。
白須さんは海士町役場の郷づくり特命担当に所属し、空き家の清掃に取り組むとともに、長らく知々井地区の事務所として使用されてきた施設の再活用に向け、地域住民への聞き取り調査を行いました。漁師町として栄え、漁業従事者が多い知々井地区ですが、現在は高齢者も多く、当初は高齢者を対象とした「スマホ教室」を開催し、住民が集まるきっかけづくりを行いましたが、公の場では地域住民の方々の本音を引き出すことの難しさに直面しました。
そこで、日々の世間話を通じて関係性を築きながら、各家庭を直接訪問して対話を重ねる手法へと切り替えました。地道な働きかけの中で、「セルフカフェのように気軽に集える場所にしたい」といった具体的な意見を聞くことができました。再活用予定の施設はこの春から工事が始まる予定であり、白須さんは、エジプトから帰国した際にその変化を見ることを楽しみにしています。
実習の中盤に開催された中間報告会では、さまざまな助言が寄せられました。その中で、「白須さん自身の泥臭さを感じる話を聞きたい」という言葉が、本人にとって特に印象に残ったといいます。
その後の活動では、「泥臭さとは何か」を意識しながら、自身の関わり方を見つめ直し、試行錯誤を重ねていきました。
ある日の空き家清掃では、清掃に加えて床の修繕にも取り組んでいましたが、作業に使用していた工具が故障し、作業の中断を検討する場面がありました。地域の方に相談したところ、工具を貸してもらえただけでなく、使い方についても丁寧な指導を受けることができました。この経験を通じて、人に頼ることで作業が前に進むことがあるという実感を得る機会となりました。
また、再活用予定の施設で開催されたクラシックライブ後の懇親会を担当した経験も、印象に残るものでした。当初は地区の方々とともに豚汁づくりを行うことを提案しましたが、協力を得ることができず、オードブルの注文のみで対応することも検討していました。そのような中で、「地域の方々が手伝いたくなるような仕掛けづくりをした方がよい」とのアドバイスを受けました。
そこで、地域の特性であるサザエ漁に着目して改めて地域の方々に相談したところ、地元食材を活かしたサザエご飯の提案を得ることができました。その結果、サザエの提供に加え、地域の方々とともに2.8升のご飯を炊き上げ、約40名が参加した懇親会に地元の味を届けることができました。
実習前は、人に頼らず一人で物事を進めようとする意識が強かった白須さんですが、海士町での活動を通じて、「多くの人に支えられてこそ実現できることがある」と実感したといいます。
「エジプトでは、人を巻き込みながら、自分自身も巻き込まれていくような活動をしていきたい」と語る白須さん。海士町で培った「人に寄り添い、支え合う」姿勢を糧に、4月からは語学訓練所での研修に臨みます。白須さん、これからも頑張ってください。
多くの人が集まった懇親会
大江町長に直接活動報告をする白須さん