【開発教育支援事業:実施報告】JICA中国 高校生国際協力体験プログラム ~「世界と自分を変える一歩になる ユースJICA海外協力隊2026」~ (2026年7月24日-26日実施)
2026.09.04
最後に全員で集合写真
2026年7月24日、中国5県から高校生45人がJICA中国に集結。緊張と期待が満ちる中「高校生国際協力体験プログラム」が幕を開けました。
開会の挨拶に立ったのはJICA中国の川本次長。身にまとったかつての赴任地スリランカの民族衣装やキルギスの帽子を紹介しながら、国を超えて協力するこの仕事の魅力に触れ、「皆さんが何を考え、何を見出すかが未来をつくる」と、高校生への期待を述べました。
これに続くスタッフ自己紹介では、各国語での挨拶が飛び交い、高校生は戸惑いを隠せません。一気に高まった緊張感がほぐれ始めたのは参加者同士の自己紹介とグループでのアイスブレイク。出身県も学年も超えてチームが団結していきました。
3日間にわたるこのプログラムは、「派遣前訓練→渡航→活動開始」というJICA海外協力隊の実際の流れになぞらえた構成、つまり高校生による「なりきり協力隊」になっています。いわば「ユースJICA海外協力隊(以下、ユース隊員)」となって今日“派遣前訓練所”にやってきた高校生たちは、まず国際協力の必要性とJICAの役割を学びます。「国際協力って何だ?」と題された講話の中で、JICA中国の松岡職員は業務内容だけでなく、自分自身がこの道に進んだきっかけや大学での専攻、就活時に自問したことについても語りました。受験や進路選択を控えた高校生は、松岡職員の話に少し先の自分の姿を重ねているようでした。
知識を得たら次は実践。協力隊員が直面する異文化での暮らしを疑似体験します。プログラムの中で、自分とは“当たり前”が違う世界に放り込まれたとき、人は何を感じどう振る舞うのか。他者と交流しつつも自分と向き合う不思議な時間からユース隊員も多くのことを感じ取ったようです。
夕食の後は、まさに“世界とつながる”JICA留学生との交流の時間。高校生のキラキラした目に留学生の出身国紹介にも熱が入り、現地の人との交流こそが、馴染みのない国を身近に感じられる国に変えていくことを実感します。これに続くゲームでは、とにかく一緒に体を動かして共に時間を過ごし、言葉ができてもできなくても相手に伝えようとする気持ちが、出会った人々との関係を作っていくことを体感します。
こうして、1日目が終了。最初の緊張感はもうすっかり姿を消し、笑顔がはじけていました。
2日目、ユース隊員たちはいよいよ現地での活動を開始します。
まずは本物のJICA海外協力隊帰国隊員3名が先輩隊員として、現地生活へのなじみ方、自分の持つ技術や現地リソースの活かし方など経験を語ります。成功体験も大事ですがむしろ失敗体験から得られる教訓がユース隊員にとっては貴重なヒントです。
こうして現地に着任したユース隊員たちは、スタッフ扮する村人が待ち受ける架空の村でヒアリングを開始します。なりきっているのはスタッフも同じ。愛嬌よく迎えられたり、質問をはぐらかされたり。でも村人との対話を重ねるうちに人柄が分かってきて距離が近づき、本音を吐露されるようになって、徐々に村が抱える課題に気づき始めます。
ユース隊員たちはヒアリング内容を持ち帰っては、グループで議論を重ね、アクションプランを考えます。「活動は誰のためになるのか」「持続可能性は」「物資や予算の調達は」…など、実際の現場さながらの意見が飛び交います。アクションプランの中間発表の後は、スタッフたちが専門的な視点から本気のアドバイスを行い、それをもとにアクションプランはさらに練られます。この時間の高校生の表情は真剣そのもの。村はすでに“架空”ではなくなっているようです。
3日目は、ユース隊員たちのアクションプランの発表です。まるで、実際の協力隊員が現地で行うプロジェクト関係者への説明会や現地事務所での活動報告会のようです。考えをどうまとめれば伝わるか、聞く人が理解しやすい話し方は…、視覚に訴えるポスターは…など、ぎりぎりまで準備の手をゆるめません。そして、発表。持ち時間を最大限使って、各グループ伝えきりました。聞く側も村の未来を一緒に考えた仲間です。真剣に聞き、真剣にコメントします。発表が終わると安堵感とともに互いをたたえる大きな拍手が会場を満たしました。
昼食をはさんで、最後に、高校生の自分に戻ってこの3日間を振り返ります。自身の変化や新しくできた仲間への感謝など、堂々と気持ちを語る彼らの目には、2日前より少し広い世界が映っているように見えました。
30年程の歴史を持つこのプログラムですが、実は今年初めてのことがありました。高校生時代にこのプログラムに参加した学生が、大学生となり、サポーターとして戻ってきたのです。理由を聞くと口をそろえて「楽しかったから!」と。こんな風に言ってもらえるプログラムをこれからも続けていきます!
研修員の国の話を聞いています
グループで議論しながらアクションプラン作成中
ごはんの時間