【広島県:実施報告】「もっと知りたい世界のこと2026 アフリカの色彩と音の世界へ」@呉市国際交流協会
2026.09.24
皆さんこんにちは。JICA中国センターインターンの國府優花です。インターンシップの一環として、呉市役所にある国際交流協会にて開催された、「もっと知りたい世界のこと2026 アフリカの色彩と音の世界へ」に参加させていただきました。当日は2名の講師と約30名の市民の方が参加され、互いに交流しながらアフリカについて知る機会となりました。今回はその様子をレポートします。
イベントは、JICA海外協力隊OV(*1)で、現在はアフリカ布を使ったアパレルブラント「jam tun」の代表である田賀朋子さんのお話から始まりました。
田賀さんは2014年9月から2年間、海外協力隊員としてセネガル共和国に派遣されていました。セネガルの中でも、首都ダカールから車で9時間ほどかかる村が赴任地でした。言語の壁もあり、最初は大変なことも多かったそうですが、セネガルの方のあたたかなおもてなしのおかげで、とても楽しく生活できたそうです。田賀さんは2年間の生活の中で、自炊をすることがほとんどありませんでした。というのも、村の方々が「今日はうちにご飯を食べにおいで!」とたくさん誘ってくれていたからです。村の方々とたくさんのコミュニケーションを取りながら信頼を作っていきました。
帰国後は他の同期隊員が就職活動をしたり職場復帰したりしていく中、田賀さんは、「どうすれば大好きなセネガルと村の方々と繋がり続けることができるだろう?」とずっと考えていたそうです。そこで思い出したのが、アフリカ布のこと。娯楽が少ない村の暮らしの中で田賀さんの唯一の趣味だったのが、アフリカ布で洋服を仕立ててもらうことでした。「セネガルにはこんなにも素敵でかわいいものがあることを知ってもらい、ポジティブな印象を持ってほしい!」と思い、アパレルブランド「jam tun」をスタートしました。
「海外送金はきちんとできるだろうか」「そもそもあの村から日本に郵送はできるのだろうか」など、最初はわからないことでいっぱいでした。そんな中でも一歩ずつ少しずつ、セネガルの村の方々と一緒に商品の製作を行い、今ではたくさんの商品を日本で販売することができるようになりました。
最近では、素敵なアフリカ布の服や雑貨を日本の人に好きになってもらえるようになっただけではなく、セネガルにいる職人さんと日本の購入者がオンラインで交流するイベントも実施。さらに交流の輪が広がっています。
田賀さんは現在も年に3~4か月はセネガルに渡航し、現地の方々との繋がりを大切にしながら活動されています。これからはセネガルに拠点を作り、より日本人がセネガルを訪れやすくするようなプロジェクトを計画中だそうです。
イベントに参加された方々は、田賀さんの経験やセネガルとの繋がりについての話に真剣に耳を傾けられていました。話の終了後にはたくさんの質問があり、より多くの方にセネガルやアフリカ布の魅力について知っていただく機会になりました。
(*1:OVとは、Old Volunteerの略で、JICA海外協力隊経験者のことを協力隊OVと呼んでいます。)
田賀さんによるセネガルでの体験談
jam tunの商品。服もたくさん持ってきてくださっていました
田賀さんの話を聞いた後は、実際にアフリカ布を見て触って、端切れでチャームを作りました。チャームとは、アクセサリーやバッグ、ポーチなどに取り付けて楽しむための小さな装飾パーツです。多種多様な柄や鮮やかな色が特徴的なアフリカ布を使い、参加された皆さんは、どの布とどの布を組み合わせようか、試行錯誤しながら思い思いのチャームを作りました。カラフルなアフリカ布を見るだけで明るい気持ちになりました。ある参加者の方は、最近になってアフリカ布を知り、それをきっかけにアフリカにも興味を持たれたそうです。普段からアフリカ布を使ってご自身でもバッグや小物を製作されているそうですが、今回のチャームづくりでも「どの布を使おうか迷うくらいどれもとてもかわいい。」とおっしゃっていました。
チャーム作りのあとは、ザンビア共和国出身のチャーさんから、チャーさんの家族について、そしてザンビアについてクイズや歌を交えてお話しいただきました。
チャーさんは父方のご家族が音楽一家だそうで、幼少期から音楽に囲まれて生活してきたそうです。大学でも音楽を専攻されました。JICA海外協力隊経験者である現在の奥様が、広島県内の大学で働いていたときにザンビアに出張され、そこでチャーさんと出会ったそうです。ご結婚後、来日され広島県江田島市での暮らしが始まり、日本に来てからオリジナルアルバムもリリースされたそうです。今回のイベントの中でもたくさん生演奏を披露してくださり、会場は大盛り上がりでした。
また、ザンビアについてもたくさんのクイズを交えながら紹介してくださいました。特に、「ザンビアにあるサファリの中で一緒に散歩できる動物はなんでしょう?」というクイズでは、首輪や紐など何もついていないライオンと一緒に散歩をしている様子を動画で紹介してくださり、会場からは驚きの声が上がりました。
最後には、今チャーさんが住まれている江田島についてのオリジナルソングも披露してくださり、素敵な演奏にたくさんの拍手がおくられ、とてもあたたかな時間になりました。
チャーさんが大学で専攻していたというアフリカンドラム
全員参加のクイズはとても盛り上がりました
チャーさんの歌の様子
イベントの後、田賀朋子さんにインタビューをさせていただきました。
【今日のイベントはいかがでしたか?】
いつもは高校生や大学生に向けて、学校での講演が多いので、市民の方にセネガルのお話ができて、知っていただけたのがよかったです。質問もたくさんしていただいて、興味を持ってくださっていることが伝わってきて嬉しかったです。
【最初にセネガルに行ってから12年。毎年渡航される中で、セネガルが変わったと思う部分はありますか?】
最初に行ったときは12年も前だったので、日本も全員がスマートフォン(以下、スマホ)を持っているわけではないような状態でした。同様に、セネガルでもスマホを持っている人はほとんどおらず、電波もあまり届かないような状態でした。動画なども重めのものは見ることができませんでしたね。ですが今ではセネガルでも多くの人がスマホを持っていて、ここ5年くらいで電波状況も改善され、TikTokなどの動画を楽しんでいる人も多いです。特に首都のダカールでは発展がとても急速で、電子決済も導入されており、とても便利になっています。
【最近になって急速に発展しているセネガルですが、ブランド立ち上げの当初はどのように現地と連携を取っていたのでしょうか。】
最初は現地でリーダーをしてもらっていた仕立て屋さんがスマホを持っていなかったので、近所に住んでいたスマホを持っている方に間を取り持ってもらい、近所の方のスマホを介して連絡を取り合っていました。その当時から海外からの仕送りをしている人は多かったため、スマホはなくても海外送金には困りませんでした。今では現地の仕立て屋さんのリーダーもスマホを持っているので、直接やり取りができるようになっています。時差はあるけれどスムーズに連絡を取って連携できています。
たくさんの工夫をされながらアパレルブランドを通してセネガルの良さを発信されている田賀さん。たくさんのお話をありがとうございました。