<イベント報告・宮崎>ウクライナ「戦火の市民と子どもたち」写真パネル展&ギャラリートーク
2024.10.07
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから、2年半もの歳月が経過しました。JICAデスク宮崎では、皆さんと平和について考える機会を作りたく、<~戦火の人びとの苦悩と平和への思い~ ウクライナ「戦火の市民と子どもたち」写真パネル展&ギャラリートーク>を企画・開催しました。
写真は、激しい攻撃が続くウクライナにて、ジャーナリストの玉本英子さんが撮影したもの40点を展示。玉本さんはフリーのジャーナリストとして1994年より活動を開始。中東での取材経験が豊富で、なかでもイラクへは20年近く毎年足を運び、現地に寄り添い続けられました。玉本さんの取材された映像は、女性や子どもの視点に立った一貫した姿勢が評価され、数々の賞を受賞されていらっしゃいます。
最新のウクライナの戦況を反映した地図をもとに説明する玉本さん
ウクライナへ対する日本政府からの支援としてJICAが供与した金属地雷探知機についても、実際に畑で使用されている様子が写真と映像で紹介されました。農家の男性は「ようやく農作業が再開できる」と仰っていました。ただ、地雷の探知と除去は、決して容易な作業ではありません。当然、危険も伴い、時間もかかります。先日、宮崎空港でも不発弾が爆発するという事故がありました。人間が争いのために使う武器。私たちは、戦争が終わってもなお、何十年経ってもその武器の脅威に晒され続けるという現実があります。
地下鉄の構内に新たに作られた教室で授業を受ける子どもたち。玉本さんが日本から何か送ることができれば、と考え、今欲しいものは?と尋ねたところ、「戦争が無い世界。穏やかな空が欲しい」という答えが返ってきました。また、1週間前に将校だった父親が前線で戦死したという少女は、「心を強く」との想いから、取材中、決して涙を見せなかったそうです。「自分が泣くと、母が悲しむから」とも。
戦争は、子どもを子どもでなくしてしまうのだと感じました。
玉本さんのお話に聞き入る参加者
お話の最後に玉本さんからのメッセージ
ギャラリートークには40名のご参加があり、小学生~高校生の皆さんも多く参加してくださいました。同年代の子どもたちの声から、きっと、心に刺さったことがあったのではないでしょうか。ギャラリートーク終了後も、玉本さんの前には質問をされる方の長い列ができ、飛行機の時間まで、お一人おひとりに丁寧に対応されていらっしゃいました。
「戦争で犠牲になるのは、いつも力なき市民」とは、玉本さんのお言葉。ここ宮崎から想いを寄せ続けてまいりましょう。ご来場くださった皆さま、誠にありがとうございました。
JICAデスク宮崎 担当:西村
TEL:0985-32-8457 ((公財)宮崎県国際交流協会内)
Eメール:jicadpd-desk-miyazakiken@jica.go.jp
scroll