九州発!企業の海外展開ネットワーク強化へ
2025.02.19
2025年2月13日および14日の2日間、JICA九州主催の「中小企業・SDGsビジネス支援事業 採択・受託企業連絡会」を開催しました。九州内の同事業関連企業25社、連携金融機関6行(熊本銀行、十八親和銀行、肥後銀行、福岡銀行、福岡ひびき信用金庫、山口フィナンシャルグループ)、関係支援機関(国連ハビタット福岡本部、九州経済産業局、日本貿易振興機構)、ご登壇者等を含め総勢54名が参加しました。
本事業は、通称JICA Bizとも呼ばれ、開発途上国の課題解決に貢献する日本の民間企業等のビジネスづくりを支援するものです。本企業連絡会は九州センター独自の取り組みであり、本事業の各フェーズ(実施前、実施中、実施後)にある企業が一堂に会し、ビジネス展開の計画づくりからJICA事業後の本格的なビジネス展開まで、幅広く議論をする機会を提供することを目的としています。また、このような場を通じて開発途上国でのビジネス展開を目指す企業間のネットワーク構築を促し、JICA九州発の“SDGsビジネス共創プラットフォーム”形成を目指しています。
中小企業基盤整備機構 九州本部の藤倉様より、本事業終了後、事業戦略を再度検討する際に大切な事業環境、自社の強みと弱みを把握するための各種分析フレームワークの活用方法についてご講演いただきました。講義の後、グループ内で実際に分析を行い、次のステップを見据えた事業戦略の策定について検討しました。難易度の高いワークでしたが、各々のビジネスについて再検討するきっかけとなったのではないでしょうか。
本事業の意義に対する理解を深めるべく、弊機構民間連携事業部の樋口より講義を行いました。表面的なSDGsではなく、本質的なSDGsを目指した事業運営が将来の財務的価値に代わっていくということに加え、 長期的な競争優位性を勝ち取るとるためには、このVUCA*の時代にこそ行動することが重要であるといったことをお伝えしました。これらを踏まえた第一歩として、JICA Bizの活用を検討していただけると嬉しいです。
*Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語で変化の激しい世界情勢を表す
1日目最後のプログラムでは、内閣官房 海外ビジネス投資支援室の奈良参事官にご講演いただき、事業終了後も持続的に海外ビジネスに参画できるよう他政府機関や省庁の支援施策について説明がなされました。政府のネットワークを活かした、大規模な企業の海外進出支援スキームの活用で、さらなるビジネス発展のチャンスが見込めます。
2日目冒頭は、公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)の赤木様にご講演いただき、近年ホットな脱炭素について、国際動向を押さえたうえで、企業活動を通じてどのように貢献していけるのかお話しいただきました。質疑応答の時間には多くの参加者から手が挙がり、脱炭素に関連する政策に対しての疑問や事業においての悩みが投げかけられました。
2日間最後のプログラムとして、すでにJICA Bizで調査を終了された企業3社(株式会社エイビス、株式会社大建、株式会社TMT.Japan)の皆様に経験談を共有していただきました。JICA Biz調査中に起きた想定外の出来事や調査終了時の手応えと実際のビジネス展開にどのようなギャップがあったか、海外展開に挑戦したことで起きたポジティブな変化についてお話しいただきました。昨年度のアンケートでご要望が多かったコンテンツであり、今回初めて実施することができました。ご登壇いただいた企業の皆様ありがとうございました。
本連絡会を通じ、参加者の皆様の間で海外ビジネスに関する幅広い情報交換や意見交換ができたことと思います。 JICA九州は、九州域内の企業皆様がJICAや他支援機関の各種スキームやサポートを活用することで、開発途上国でのビジネス展開と社会課題の解決に一翼を担っていただくことを期待し、今後もこのような連携・共創の場を創っていきます。
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