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【共創インターンシップレポート(5)】セネガルの社会課題を解決する!小規模太陽光発電システムで農村地域にあかりをともそう~FUKUSHO株式会社~

2025.04.03

「若者×JICA留学生×中小企業・SDGsビジネス支援事業1」の枠組みのもと実施された本インターンシップに九州大学の大学生と海外協力隊経験者(セネガル/職種:体育) の計2名が参加し、株式会社FUKUSHO(福岡県北九州市)がセネガル共和国で実施した現地渡航調査において、現地機関・企業との協議に同席、議事録作成の補助やSNSでの情報発信等の活動を行いました。


1※若者×JICA留学生×中小企業・SDGsビジネス支援事業の共創インターンシップ事業は中小企業・SDGsビジネス支援事業の採択企業の現地渡航に、学生や協力隊経験者、JICA長期研修員をインターンとして帯同することで、(1)JICA留学生と母国へのビジネス展開を検討する企業のネットワーキング機会の創出、(2)若年層の国際理解の深化及び開発協力人材・地域人材の育成、(3)インターンシップを通じた効果的な事業広報、(4)企業の中長期的な人材確保・育成や社内グローバル化のきっかけ作りを目的とし2024年度試行的に実施するもの。

(株)FUKUSHOは、オーダーメイドの小規模太陽光発電システムをセネガルの未電化農村で販売・設置することで、持続可能かつ安定したエネルギー供給と住民の生活環境の改善、気候変動対策に貢献することを目指しています。今回のセネガル訪問は現地でのビジネス化に向けた関連法規や法的手続きに関する情報収集、太陽光発電設備の調達の可能性、現地パートナー候補企業との協議等を目的としていました。

農村電化庁への訪問では、セネガル国内で事業を行う際の法的枠組みや、事業を行う際に必要な手続き等に関しての説明がありました。現地企業との面談では、同社との将来的な連携について議論がなされ、現地で事業を実施するにあたりどういった協業の可能性があるかが現地企業から示唆されました。各機関への訪問を通して九州大学のインターン生は、「セネガル政府が持続可能な電力事業に強い関心を持ち、国民の電力アクセスを拡大するという目標を達成するために、パートナーや投資家を求めていることを知り、(株)FUKUSHOの現地での取組みの重要性を改めて実感した。」と語っていました。

また、海外協力隊経験者であるインターン生は、現在、大学院で国際教育開発分野の研究を行っており、電力分野は専門外でしたが、職業訓練省大臣との意見交換の場で、人材育成の話が出ていたことから、教育×電力の掛け合わせで、自身のこれまでの経験、知見を活かす可能性があるのではという気付きを得ました。太陽光発電設備の販売、設置と聞いてイメージしていた仕事は、「ソーラーパネルを設置し電力を各家庭に配給する」といった漠としたものでしたが、関係者との話し合いに参加していく中で、それ以前に輸入コストや現地販売店の信頼性、販売価格や設置後の維持費、税金、機器のメンテナンス等々、検討すべき事項が多岐に渡り、多くの人々の関わりがあり事業が動いていることを体感できたようです。「実際の現場で協議に参加することができたからこそあらゆる視点での学びを得ることができた。」と話しています。

九州大学のインターン生は、自分の専門と異なる分野での事業だったことから渡航前は不安を感じていたとのことですが、インターンシップ通じて(株)FUKUSHOの社員の方から話を聞いたり、先方関係機関との協議議事録作成をしたりする中で、「持続可能なエネルギー投資に関する知識を深めることが出来た。今後は、環境の持続可能性を促進しつつ地域社会のニーズに応える革新的な取り組みについて、他国での事例を調査することでさらに知見を深めていきたい。」と展望を語ってくれました。

インターン生は両名ともセネガルと(株)FUKUSHOの所在地である福岡県に縁のある方々でした。地方にある企業は首都圏と比較して情報や機会に恵まれにくい環境があると思いますが、その中でも(株)FUKUSHO のような自身の身近な地域にある企業が日本から遠く離れたセネガルで挑戦し、現地に大きなインパクトを与えていこうとする姿勢は、インターン生に多くの気づきや深い学びを与えたようです。ビジネスの現場を間近で見ることのできる本インターンシップは、インターン生にとって貴重な経験となり、開発協力人材育成の観点からも、重要性を感じることができました。

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