【共創インターンシップレポート(7)】フィジーの社会課題を解決する!水道検針のDX化で無収水の改善に貢献~株式会社ネオス~
2025.05.12
「若者×JICA留学生×中小企業・SDGsビジネス支援事業の共創インターンシップ事業 1 」の枠組みで実施された本インターンシップに九州大学共創学部に在籍する深谷恵生さん、立命館アジア太平洋大学 学士課程に在籍するサモア出身のJICA留学生Ms.MATATIA Chrismira Faanaitauaさん、早稲田大学北九州キャンパス修士課程に在籍するトンガ出身のJICA留学生Ms.PAUU Kulaea Taueveeveさんの計3名が参加し、株式会社ネオス(福岡県福岡市)がフィジー共和国で実施した現地渡航調査において、現地機関との協議に同席、議事録作成補助や実地試験の補助そしてSNSでの情報発信等を行いました。
(株)ネオス(福岡県福岡市)は、不動産業向けの管理システムを提供しているシステム会社です。同社が開発したスマート検針アプリ「SNAPPY」は、スマートフォンがあれば、水道検針から請求まで一貫して行う事が出来ます。(株)ネオスは誤検針等により料金聴取が出来ていない無収水問題に貢献するため、大洋州にあるフィジー共和国を対象に「フィジー国だれもが安全な水を利用できるよう無収水問題を解決するための水道検針スマホアプリニーズ確認調査」を実施しています。
現地では、水道検針を担うフィジー上下水道公社の西部事務所を訪問し、実際に請求業務を担当しているスタッフとインターン生が意見を交わす機会も設けられました。さらに、実際の水道メーターを用いてSNAPPYのテストを実施し、(株)ネオスの製品がフィジーの検針業務にどう貢献できるか、現場の声を交えて確かめる場となりました。
今回のインターンシップに参加したトンガからのJICA留学生は、「今回のインターンシップに参加し、無収水問題の解決にDX化が重要な役割を果たすという事を学ぶ絶好の機会となった。国際的なプロジェクトを遂行するためには、現地の専門的な知識が必要であるとも思った」と語っていました。
また、サモアからのJICA留学生は「㈱ネオスの製品は母国サモアでも役に立つのではないか」と本インターンシップ終了後に自国の友人を通じてサモア上下水道公社と繋ぎこみを行いました。その結果、サモアでの調査にもつながるなど、調査の枠を超えた広がりを見せました。
そして、九州大学の学生は、本インターンシップだけでなくJICA九州で実施した国内のインターンシップに参加していた事もあり「日本側と現場側、両方の視点を体験する中で、自分が実際に国際協力の現場を経験出来る貴重な機会になった」と語りました。
さまざまな立場からの参加者がそれぞれの視点で課題に向き合い、共に取り組んだ今回のプロジェクト。国や立場を超えた学びとつながりの中で、新たな共創の芽が確かに生まれた現地調査となりました。
1 ※若者×JICA留学生×中小企業・SDGsビジネス支援事業の共創インターンシップ事業は中小企業・SDGsビジネス支援事業の採択企業の現地渡航に、学生や協力隊経験者、JICA長期研修員をインターンとして帯同することで、(1)JICA留学生と母国へのビジネス展開を検討する企業のネットワーキング機会の創出、(2)若年層の国際理解の深化及び開発協力人材・地域人材の育成、(3)インターンシップを通じた効果的な事業広報、(4)企業の中長期的な人材確保・育成や社内グローバル化のきっかけ作りを目的とし2024年度試行的に実施するもの。
scroll