【共創インターンシップレポート(6)】パラオでの観光と環境保全の両立を目指して。T-PLAN株式会社(大分県)の現地調査に参加。
2025.05.20
「若者×JICA留学生×中小企業・SDGsビジネス支援事業の共創インターンシップ事業 1 」の枠組みを活用し、立命館アジア太平洋大学(APU)に所属のJICA留学生が、大分県中津市の企業(T-PLAN株式会社:(以下、T-PLAN社))のパラオでの現地調査に参加しました!
T-PLAN社は、2023年中小企業・SDGビジネス化支援事業(以下、JICA Biz)のひとつとなる「普及・実証・ビジネス化事業」に採択をされ、2025年から2027年の2年間をかけ、大洋州にあるパラオ国で、ビジネスの普及活動をされています。(案件名:「パラオ国太陽光蓄充電システム、電気自動車を活用した脱炭素交通モデル普及・実証・ビジネス化事業(SDGs支援型・中小企業支援型))。
2025年2月末、本事業の初回渡航としてパラオ国での現地調査を実施。調査は約一週間となり、パラオ中心地域となるコロール、また離島となるペリリュー島にも訪問をして実施されました。本調査において、以下2名のパラオ人留学生(APU 国際経営学部在学)が参加をされ、調査への協力をおこないました。
(1)(Mr.)ベンハート アイダン クリキッド氏
(2)(Ms.)ディアマス ディアラ クライ氏
1 ※若者×JICA留学生×中小企業・SDGsビジネス支援事業の共創インターンシップ事業は中小企業・SDGsビジネス支援事業の採択企業の現地渡航に、学生や協力隊経験者、JICA長期研修員をインターンとして帯同することで、(1)JICA留学生と母国へのビジネス展開を検討する企業のネットワーキング機会の創出、(2)若年層の国際理解の深化及び開発協力人材・地域人材の育成、(3)インターンシップを通じた効果的な事業広報、(4)企業の中長期的な人材確保・育成や社内グローバル化のきっかけ作りを目的とし2024年度試行的に実施するもの。
現地調査では、T-PLAN社事業の現地カウンターパートや関係者との協議や、同社の製品となる「青空コンセント」とEVを設置する実証サイトの選定など、様々な活動が実施されました。
インターン生の2人は、その活動に同行をして、会議議事録の作成、現場写真の撮影、また現地関係者との円滑なコミュニケーション支援も重要な役割となりました。
実証サイトでの調査参加
関係者協議に参加し議事録作成
1)実証サイトの一つとなる「ベラウ国立病院」では、パラオ国保健省(MHHS)の局長と協議を行い、製品の設置候補地(同病院の駐車場)の確認、既存の太陽光発電装置との連携を協議しました。候補場所の図面が無いなど、想定外のトラブルはありましたが、病院関係者からの協力も得て、作業を進められました。
2)本事業の主カウンターパートとなる、人材・文化・観光省(MHRCTD)との協議では、Tmetuchl(メチュール)大臣と直接面談をおこない、本事業スケジュールや課題の確認を議論しました。議論の結果、実証サイトの一つとして、Civic Center前の駐車場エリアに確定され、同大臣も了承を行いました。また現地責任者として、他の実証サイトの関係機関と覚書を結び、T-PLANの活動が予定通りに進められるように協力を約束してくれました。
3)ペリリュー島での調査では、ペリリュー州庁舎に訪問。州知事のRoberts氏と協議をおこない、実証サイトの一つとして同庁舎を対象とすることに了承をうけました。既存小屋・木の撤去をペリリュー州側でおこなうなど、協力をおこなっていただける予定です。また同州では、歴史的背景を知るための戦争遺産や跡地についても確認をおこないました。
4)パラオではJICAインターン生が帰国後、引き続き活躍ができるように、同窓会(Palau Alumni Association: PAA)が存在しています。調査期間中に、PAA責任者となるミヴァー会長と面会の機会を設け、同窓会の過去のプロジェクトや今後の取り組みについてお話を伺いました。今回のインターンお二人もAPU卒業後、パラオに戻った場合、PAAに所属して経験を活用されていかれます。
ペリリュー州庁舎
MHRCTDのメチュール大臣(中央)との協議
上記のとおり、インターン生は、現地の大臣や知事など高官との直接的な会議にも参加をし、対話に参加する機会を持ち、国際協力や政策立案の過程に直接触れられたことは一つの成果となりました。
また、インターン生はT-Plan社調査団員として参加をされた、同社のエンジニアと直接仕事をする機会も得られました。同社のエンジニアの持つ高度な技術と経験を目の当たりにして、貴重な実地経験とすることができました。
全体として、今回のインターンシップは、参加した二人の国際協力や異文化間協力に関する視野を大きく広げるものとなりました。
また、日本の優れたエンジニアと一緒に専門的な業務をおこなった経験は、インターン生の適応能力、効果的なコミュニケーション能力、批判的思考力を強化し、貴重なスキル向上の機会となりました。
関係者集合写真。写真左側の2名が該当インターン生
今回の調査の様子を、取材として同行をされたTOSテレビ大分の記者が撮影をされています。同テレビ局の「ユ~わくワイド」で放映をされ、またYouTubeにもアップされています。
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