<イベント報告・佐賀>2025大阪・関西万博テーマウィークプログラムスピンオフイベントを開催しました!
2025.06.26
集合写真
現在開催中の2025大阪・関西万博において4月25日(金)に開催された青年海外協力隊事務局テーマウィークプログラム「世界も日本も変える力」のスピンオフ企画として、JICA海外協力隊として途上国に派遣され帰国後も任国と日本(佐賀)を繋ぎ続ける深川千幹さん(トンガOV)と黒岩春地さん(セントルシアOV)の2名を迎え、協力隊経験談と帰国後の取り組みについて紹介して頂きました。
深川さんは1987年から協力隊としてトンガに派遣され、数学教師としてトンガハイスクールで活動しました。2年間で生徒や同僚の先生方と大変深い関係を構築され、トンガを愛し、いつかトンガをまた訪れたいと思い続けていたとのこと。そこから30年近く経った2021年、トンガ沖大噴火が起こったことをきっかけにトンガ支援を開始しました。募金を集めて在日本トンガ大使館に訪問すると、なんと大使は協力隊時代の教え子。更には首相も教え子という協力隊ならではの繋がりが。それをきっかけに現在に至るまで、その関係性を活かしトンガにおける防災教育を進めています。実際にトンガで地震が発生した際も避難訓練の成果があり、無事に難を逃れたとのこと。確実にトンガにとってかけがえのない存在になっています。今年8月には大阪・関西万博の万博交流プログラムとしてトンガから約10名の子どもたちを佐賀市で受け入れるとのことで、これからも日本とトンガの架け橋として活躍され続けます。
深川さん
黒岩さんは、2016年の退職後に協力隊に参加しました。セントルシア視覚障害者協会(SLBWA)に配属され、指圧の技術を指導し目の見えない方々が自力で生計を立てていくための10年計画を策定、ご自身の任期終了以降も全盲の指圧師・綱川章氏などにその意志を託しつつ、帰国後もSLBWAが作製したノートを売りながら日本でも資金を集め、都度セントルシアに送金していました。黒岩さんの計画通り、SLBWAに指圧が学べる1年間のプログラムが開設され、コロナ禍を乗り越え遂に2023年に卒業生が誕生。黒岩さんもセントルシアを再訪し、卒業生の誕生を祝いました。その後もカリブ諸国10カ国に指圧技術を拡げるための活動を続け、2025年5月27日には佐賀県教育委員会、佐賀県国際交流協会、JICA九州がセントルシアでの視覚障害者の自立支援を共同で進めるため、JICA海外協力隊の連携派遣に係る覚書 を締結。2027年から佐賀県立盲学校の先生がSLBWAに指圧コースの講師として派遣されます。まさに、佐賀もセントルシアも変え続ける黒岩さんの挑戦はまだまだ終わることはなさそうです!
黒岩さん
そして、イベント終盤はパネルトークでは、JICA九州市民参加協力課の井上建課長を加え、協力隊について熱く議論。深川さん、黒岩さんお二人とも協力隊経験を通して、任地の人々の力になりたいという想いを、ただまっすぐ、それぞれができる形で実現してきました。「金がある者は金を出し、時間がある者は時間を出し、知恵がある者は知恵を出せ」をモットーとする深川さんからは自分がやるべきことをやり続ける大切さを、また「まっすぐ物事を考えられることが協力隊の魅力」(黒岩さん)、「現地語で心と心を通わせるのが協力隊のすごいところ。帰国後も世界と日本を行き来しながら活躍してほしい」(井上課長)とそれぞれ協力隊に対する想いや期待を語っていただきました。
パネルディスカッション
世界も佐賀も変えるお二人の情熱溢れるお話に、24名の参加者が来られた満員の会場はとても温かい空気に包まれました。登壇者の3名と今回ご参加下さったみなさま、本当にありがとうございました!
(JICAデスク佐賀 担当:石川)
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