【開催報告】東方政策で築かれた絆をビジネスに~マレーシア・ビジネススタディツアー~
2025.11.20
JICA九州センターは、九州内企業の海外展開を後押しするため、2025年11月9日~15日にかけて「マレーシア・ビジネススタディツアー」を開催しました。本ツアーでは、日馬の官公庁、大学、企業等を訪問し、マレーシアの経済動向やビジネス環境、産学官連携や社会課題の実態について理解を深めました。参加企業にとって、現地ネットワーク構築、市場調査や情報収集の貴重な機会となり、今後のビジネス展開に向けた大きな一歩となりました。
訪問都市:クアラルンプール、セランゴール州
主催:JICA九州センター
後援:マレーシア投資開発庁(MIDA)、九州経済産業局、(独)日本貿易振興機構(ジェトロ)福岡貿易情報センター、(独)中小企業基盤整備機構 九州本部、福岡・マレーシア友好協会
参加企業:建設、環境、食品、化学など多様な業種の企業、支援機関が参加
現地省庁での面談の様子
民間企業を訪問し企業概要の説明を受ける
マレーシアでは1981年に当時のマハティール首相が提唱した「東方政策」により、これまで 28,000名以上の方々が日本に留学しています。この政策は、単なる教育交流にとどまらず、現在ではビジネスや研究の分野で両国を結ぶ強力なネットワークを形成しています。
日本留学経験を経て、現在は国会議員、政府高官や企業経営者など多くのリーダーを輩出し、日本企業のマレーシア進出をサポートする架け橋となっています。今回のツアーでも、複数の同窓会組織との交流を通じて、人的ネットワークの重要性を再認識しました。
福岡県出身の書家の寄付で建設されたホールの前で同窓会組織の方々と集合写真を撮影
訪問先企業でツアー参加企業が自社商材をプレゼンする様子
マレーシアは高所得国入りまであと一歩と言われており、ODAで求められるものが他の国々と異なっていますが、ビジネス面においては近隣のASEAN諸国と比べると関連法令の英文がマレー語と合わせて公式に発行されていたり、不動産価格が安価である等、ビジネス環境は整っていることが確認できました。
ツアー参加者の皆様の事後アンケートでも、引き続き何らかの形でマレーシアでのビジネス展開を検討していきたいと言った声が多く聞かれ、本ツアーを通じて、マレーシア市場のポテンシャルと、日本企業にとってのビジネスチャンスが明確になりました。
【参加企業の声】
・環境ビジネスに対する意識の高さ、日本留学経験者のネットワーク、政府の支援体制を確認し、環境産業にとって大きなチャンスだと感じた。
・産学官連携のスピード感と実行力に驚いた。JICA、JETRO、マレーシア投資開発庁(MIDA)の支援体制が整っており、日本企業にとって安心材料。マレーシア進出の意向は強まった。
・ハラル認証や健康食品市場など、付加価値商品の可能性を実感。人との繋がりを築き、多くの気づきがあった。
・サイエンス・研究・ビジネスを一体化するための具体的な連携の道筋が見えた。
JICA九州センターは、今後もこうした海外展開支援を継続し、企業の挑戦を後押ししてまいります。
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