【開催報告】~写真と本と料理で知るパレスチナの今~「パレスチナ・ガザ ~ ファトマ・ハッスーナ写真展」
2026.04.02
「もし死ぬのなら、響き渡る死を望む」
"今こそ この戦争を撮って世界に見てもらう必要がある。"
苦しみを全て記録するの。他に誰がやる?” ファトマ・ハッスーナ
JICA九州では、パレスチナ・ガザ地区で最後まで写真を撮り続け、イスラエルの空爆で亡くなった若き女性フォトジャーナリスト、ファトマ・ハッスーナの写真展を、2026年2月26日(木)~3月22日(日)まで開催いたしました。
ファトマは、昨年のカンヌ国際映画祭で話題となり、日本でも全国的に上映が続いている映画、『手に魂を込め、歩いてみれば』の主人公です。今回は、彼女が戦禍で取り続けた写真、16点を展示させて頂きました。
また、写真展に合わせて、「写真」・「料理」・「本」をキーワードに、パレスチナのこと、そして、世界で起こっている「分断と排除」について、知り・考え、等身大の自分に出来ることを考える機会になるよう、3つの企画を組み合わせました。
1.写真で知るー「ファトマ・ハッスーナ写真展」 (2月26日~3月22日まで開催)
2.料理で知るー「パレスチナ料理を食べてみよう」 (3月19日のみ開催)
3.本で知るー「ファトマと考える平和展」 (3月17日~31日頃まで展示)
1.写真で知るー「パレスチナ・ガザ ~ ファトマ・ハッスーナ写真展」
■開催場所:JICA九州センター 福岡県北九州市八幡東区平野2-2-1
■開催日:2026年2月26日(木)~3月22日(日)
※3月13日(金)PM~16日(月)AMは工事のため閉館
■開館日:平日、および、土日 午前9時から午後8時
■入場料:無料
■主催:JICA九州
■写真提供:ユナイテッドピープル
メディアがほとんど入ることが出来ないガザ地区ですが、ファトマが撮った写真の中には、戦禍でたくましく生きる人々の姿が鮮やかに写されていました。全ての写真の背景が、灰色の瓦礫であり、その前でカラフルなパラソルを広げて市場を開き、破壊された建物の壁代わりに美しい絨毯を吊るしている様子など、彩色の対比が、より一層、「それでも生活は続く」、という厳しい現実を突きつけます。ファトマは、2025年4月16日未明に空襲で亡くなったため、写真にキャプションはなく、ガザへ想いを馳せながらそれぞれに解釈をして頂く写真展となりました。写真データを集めることすら難しい状態だったということなので、この16枚に出会えたことは、本当に貴重な機会だったと思います。
(ファトマへのメッセージを集めたボードには、ご来場の方々から、たくさんの感想が寄せられました。中には、JICA九州センターに滞在しながら日本の技術を学んでいるJICA研修員からのコメントもありました。)
2.料理で知るー「パレスチナ料理を食べてみよう」
■開催場所:JICA九州センターレストラン「JICAFe」
■開催日:3月19日(木)ランチタイム 11時30分〜14時(LO13時30分)
■料金:パレスチナ料理 4種類の小鉢 1つ100円
◇ファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)
◇フムス(ひよこ豆のサラダ)
◇タッブーリ(野菜とクスクスのサラダ)
◇シシタウーク(パレスチナ風焼き鳥)
3月19日(木)の1日限定で、JICA九州センターのレストランで、パレスチナ料理の小鉢を提供させて頂きました。どれも中東で一般的に食べられる料理ですが、濃厚なひよこ豆の味がするコロッケやペースト、独特なスパイスの効いた焼き鳥は、日頃はなかなか味わえず、パレスチナの食文化を想像する一助となりました。また、その日のランチタイムには、ファトマが主人公となった映画『手に魂を込め、歩いてみれば』を配給している、United Peopleの関根健次氏も駆け付け、生き残ったファトマのお母様の近況などを聞かせて下さいました。ガザでは食糧等の支援物資が充分に届かず、絶え間ない爆撃により田畑は荒れ、パレスチナ元来の食文化も失われつつあります。でも、ファトマのお母様は小さな畑で少しずつ野菜を育て始めているとのことで、家族を失ったものの、何とか生活を立て直していこうとする姿を感じることが出来ました。
(パレスチナのパンも美味しいらしいのですが、今回はJICA九州のレストランで提供されている「ナン」と一緒に頂きました。)
3.本で知るー「ファトマと考える平和展」
■開催場所:JICA九州図書室
■開催日:3月17日(火)12時~31日(火)頃まで
昨今の世界情勢に鑑み、パレスチナ、イスラエル、中東、平和、戦争をキーワードにセレクションした本を、子ども向けから大人向けまで幅広く展示しました。United Peopleの関根健次氏が、現在のような社会起業家になるきっかけになった土地は、紛れもなく、「パレスチナ・ガザ」でした。彼の地で何気なく聞いた子供の夢が「ユダヤ人を殺すこと」という言葉に衝撃を受けたことが、関根氏の活動の始まりだったこともあり、彼が執筆した章を含む本も数冊展示しました。奇しくも、中東地域が緊迫したタイミングでの展示だったため、中東情勢や平和について、学び直しにもなるのではないでしょうか。本は1冊読むだけでも、問題の輪郭が違って見えるので、地域の皆様に、JICA九州の図書室に揃えている本をぜひご活用頂きたいと思っています。
さて、“響き渡る死を望む”というファトマの言葉は非常に重たいですが、今回の企画を通して、ファトマが伝えようとしていたメッセージをそれぞれがしっかり受け止めて下さったのではないかと想像しています。ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。
最後に、JICA九州センターは、2024年4月より、「JICAきゅうしゅう地球ひろば」としての活動を開始しています。これからも、地域の皆さんの心に「きっかけの種」を撒き続けられるよう、色々な企画を行っていきます。