JICA 大学生インターン日記(1)

プノンペンの奇跡を知っていますか?

 はじめまして、佐竹結です。2月13日から、約1か月半、JICA九州でインターンをしています。これから、私がJICA九州で体験したことをお伝えしていきます!

 2月15日(木)に、北九州市上下水道局が行った草の根技術協力「カンボジア国プノンペン都都下水道維持管理能力・浸水対応能力向上プロジェクト」についての最終報告会に同席し、報告をしてくださった北川係長と世良職員へインタビューをさせていただきました。

 「プノンペンの奇跡」を知っていますか?実は、北九州市は1999年からカンボジア支援をされています。深刻な水不足に悩まされていたプノンペンの人々へ安全な水を供給することを実現し、その功績が「プノンペンの奇跡」と称されたのです。当時の水不足の原因は漏水や盗水と水道局の職場環境が良くないことであったため、資金援助や技術の提供に加えて現地の人の意識向上にも注力されました。
 今回のプロジェクトにおいても、都市化が進むプノンペンでの下水道の維持管理の方法の提供と現地の人材育成に努められました。現地の作業員は専門家ではない場合もあるため、彼らの公用語でわかりやすいマニュアルを作成して訓練活動を行い、プロジェクト終了後も現地の人だけで継続的に活動できるような支援をされていました。
 また、北九州市の中高生がカンボジアの人と交流できるオンラインイベントを開催し北九州市の若者を国際人に育てることで北九州市の発展にも貢献されています。

1.現地の人と活動する中で大変だったことややりがいは何ですか?
 ―文化や風習の違いから、カンボジアの方々の働き方、現地でのやり方に慣れるのに時間がかかりましたが、彼らのやり方を尊重したスケジュールを組むことで、うまく事業運営できるように工夫しました。また、PCや機材の使い方など、1つのことをやるのにも時間がかかる印象でしたが、翌日には自分で出来るところまで準備している姿を見た時は嬉しかったです。

2.姉妹都市であるプノンペンと北九州市とのつながりを感じたことはありますか?
 ―長年関係を築いているので上層部の方々が感謝を示してくれます。若者はJICAに対しても感謝しており、プノンペンには親日の人が多い印象です。

3.この国際協力事業がどのように北九州市に還元されるのでしょうか?
 ―カンボジアという新たな地で北九州市の技術を用いることが北九州市の技術の向上にもつながります。技術を教えるためには自分たちにも十分な知識が必要であるため、改めて勉強する機会になりました。さらに、北九州市の中高生向けのイベントの開催などによって次世代に継承することで、北九州市の発展に貢献したいです。

 実際に自治体の方々がどのように国際協力事業に取り組まれているのかをうかがうことができ、とても勉強になりました。途上国支援を通して北九州市とプノンペン都双方の技術向上・人材育成を達成し、都市間にとどまらず両国間での信頼関係を深められていることを知ることができました。1960年代に深刻な公害被害を経験した歴史のある北九州市だからこそ知っている環境改善の方法や乗り越え方を生かして他の地域の人々を救うことができるのが素敵です。

(JICA九州インターン:佐竹結)

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